可愛くて奥が深い子どものための国際映画祭
TIFF Kids / International Film Festival
(2011年4月6日記事)

TIFF Bell Light Box(350 King St. W.)

416-365-7253

子どもたちが毎年楽しみに待っている”子どものための映画祭“が今年も開催される。昨年まで『スプロケッツ』と呼ばれていたこのイベント、名称を『TIFFKids International Film Festival』と改めてパワーアップ。今年は3歳から13歳を対象とする20以上の国々から集めた100本以上の映画を上映する。また、14歳から18歳を対象にした TIFF NextWave Film Festival も5月10日から12日に開催予定だ。
「子どもにどんなテレビ番組や映画を見せるか」は、「どんな大人になってほしいか」と同義といえるほど大きなテーマ。いわゆる「子どもの情操教育」というヤツで、テレビや映画のもたらす影響はいまや見過ごせないほど大きい。暴力や差別が無作為に出てくるようなものは目に触れさせたくないが、そうしたものが世の中にあることは知っておいてほしい。相手の気持ちを考えられる人になってほしい。自分の在り方を深刻にならずに、でもよく考えてほしい。そんな思いを熟考して選ばれた数々の名作を上映する同祭。だからといって説教くさいわけではなく、それぞれが魅力にあふれた作品で、難しく思われるテーマを構えずに扱ったものばかり。特に人種のモザイク・トロントだけあって、人種や移民のクロスカルチャーに対する造詣が深い作品も豊富に選ばれており、もちろん大人でも楽しめる。
また、映画監督らとの触れ合いの機会を提供し、映画自体の魅力を披露するのも目的の1つ。各イベントでは、映画作りのアイディアや、話の流れをつくるテクニックなどについて興味深い話を聞くことが出来る。また今年は保護者と子どもが一緒にデジタル3Dのアクティビティなどを楽しめるdigiPlaySpace が初めて設置される(チケット別売)。
日本からの出品は長編アニメ『川の光』とショートフィルム『灯花』の心温まる2作品。名実ともにリフレッシュし、魅力を増した映画祭、子どもと手を繋いで足を運べば、いい思い出になりそう。


Light of the River(邦題:川の光)

Light of the River
クマネズミの兄弟タータとチッチは、お父さんと一緒に川沿いの巣穴で暮らしていた。ところが川で工事が始まり、巣はこわされてしまう。川に住むネズミの誇りを持って一家は上流へ移住することを決意するが、意地悪なドブネズミに邪魔されて…。一家とさまざまな動物たちとの出逢いを、移りゆく季節を通して描いたあたたかい作品。
【日時】4 月11 日(水)12:15、16 日(月)12:00
対象グレード:(1)(2)
出品国:日本
撮影年/上映時間:2009年/75分


Stella and the Star of the Orient

Stella and the Star of the Orient
10歳のステラが洋服ダンスに足を踏み入れると、そこは100年前の世界だった! 若き日のおばあちゃんと出会い友達になった2 人は、経済的に苦境に立たされているおばあちゃん一家を救うため、秘密の宝物を探しに出かける。ステラは宝物を見つけ、無事に現代に戻ってこられるのか?! スリル満載、タイムスリップ冒険譚。
【日時】4 月13日(金)10:00、16 日(月)10:15
対象グレード:(3)(4)(5)
出品国:ドイツ
撮影年/上映時間:2007年/87分


King Siri

King Siri
スリランカの小さな村に住む11歳のシリマルは、都会の進学校に通う奨学金を獲得して意気揚々。学校が始まり、異なる環境に戸惑うこともあるが、勇気と決断力で居場所を確立していく。周りから認められた彼は劇で王様役をやることになるが、ここで思わぬ問題が。王様の衣装を作るお金は、どうやって用意しよう?
【日時】4月11日(水)10:00、19 日(木)10:15
対象グレード:(5)(6)(7)(8)
出品国:スリランカ
撮影年/上映時間:2008年/88分


Emil and the Detectives

Emil and the Detectives
12歳のエミールはおばあちゃんに会いにベルリンへ。しかし、途中で母親から預かったお金を盗まれてしまう。エミールは声をかけてくれた地元の少年たちと泥棒を追うが…。1929年に小説が出版されてから、何度も映画・舞台化されてきた作品。興奮はそのままに、現代の息吹でリフレッシュ。
【日時】4月12日(木)10:30、14日(土)11:00、17日(火)10:15
対象グレード:(4)(5)(6)(7)
出品国:ドイツ
撮影年/上映時間:2001年/111分


Wapos Bay: Long Goodbyes

Wapos Bay: Long Goodbyes
レーベンとターロンは北サスカチュワンのワポス湾近くに住むファーストネーションの姉弟。父親が新しい仕事を見つけたので、もうすぐ引っ越しだ。しかし、親しんだ村を離れたくないレーベンは、村の人々と画策して父親を首長にし、村に残るよう仕向けようとする。伝統とモダンが交じり合う様子をストップモーションアニメで。
【日時】4月12日(木)11:45、13日(金)10:15
対象グレード:(4)(5)(6)
出品国:カナダ
撮影年/上映時間:2011年/74分


Brownstones to Red Dirt

Brownstones to Red Dirt
西アフリカ・シエラレオネ共和国の孤児たちと、ニューヨーク・ベッドスタイ地区の生徒たちの文通を追ったドキュメンタリー。内戦で傷つき、人間の死が今なお近くにあるシエラレオネ。そして、ベッドスタイ地区は古いスラム街だ。現代の難問を映し出すとともに、前向きなメッセージを発信する1 本。
【日時】4月18日(水)12:30、19日(木)12:15、20日(金)9:45
対象グレード:(7)(8)
出品国:アメリカ/シエラレオネ共和国
撮影年/上映時間:2010年/85 分


Short Film Programme


「いろいろあってどれがいいか悩む!」「せっかくだから、いろんな作品を見てみたい!」という人にはショートフィルムプログラムがおすすめ。各テーマに基づいて厳選された作品をどうぞ!

Eco-Explorations

生態系、動物の生活環、気候の変化や人間と環境の関係の変化など、環境学習の根幹となる内容に触れたショートフィルム6 本。助川勇太監督作品の『灯花』は、吹雪の中で芽吹いた花と、身を呈してその花を温め続ける電灯の温かいファンタジー。ほかにマヤのカカオの収穫を描いた作品や、破れたオゾン層を修復しようとするイヌイットの物語など。

【対象グレード】(1)(2)(3)(4)
【日時】4 月11 日(水)10:15、18 日(水)9:45

Stand Up!

いじめを見かけたらどうする?自分の好きな服や趣味がほかの子に受け入れられなかったら?学校でいじめられるのを避けるために、自分の信念を曲げる?それとも…。小学生の、いじめへの型破りな対応をテーマにしたショートフィルム4 本立。率直な視点でいじめを見つめ、ひたむきかつユーモラスに向き合った作品がそろっている。

【対象グレード】(3)(4)(5)
【日時】4月12日(木)10:00、17日(火)12:30、19日(木)12:30

Canada Creates

カナダのクリエイター作品を集めたプログラム。ホッケーで父親の気を引こうとする少年を描いた『The Rink』はいかにもカナダらしい発想。飼い犬を探す親子を描いた『Leash』に、野球を通して少年の奇妙な人格を映す『Litle Mao』など、個性ある子どもたちを扱った物語はどれもほほえましい。また、いも虫と蛾の出会いを描いた『Luna』など、ファンタジー要素も有。

【対象グレード】(5)(6)(7)
【日時】4月11日(水)10:15、16日(月)12:45

Earth in Motion

環境問題に触れるとともに、私たちが世界をよりよく変えていけることを信じる力をくれる4 作品。『The Little Prince:Planet of the Winds』は名作『星の王子さま』を下敷きに、風力のみをエネルギーとして用いる星に王子が降り立つところから始まる。しかしここでも、そのエネルギー源をめぐって星を破壊しかねない対立が起きてた。星はどうなってしまうのか。

【対象グレード】(5)(6)(7)(8)
【日時】4月12日(木)10:15、13日(金)12:15、20日(金)10:00


Information

TIFF Kids International Film Festival
【日 時】4月10日(火)~22日(日)
【場 所】TIFF Bell Light Box(350 King St. W.)
【入場料】子ども$8.50、大人$12、学生・シニア$9.50、ファミリーパック$75 ※10枚つづり
【連絡先】 416-599-8433、1-888-599-8433
【サイト】 tiff.net/tiffkids
※上映日時は予告なく変更されることがあります。