アマゾンでエコツーリズム
Tambopata, Peru
タンボパタ自然保護区(ペルー共和国)(2012年12月21日記事)

Tambopata, Peru

国土の60%がアマゾンという南米ペルー。タンボパタ自然保護区は、ペルー南東部のマドレ・デ・ディオス県とプーノ県の間のおよそ1480ヘクタールに広がる自然保護区だ。飛行機が発着するプエルト・マルドナドから車でアマゾン川の船着場まで行き、そこから小さなボートに揺られてさらに何時間か川を逆上る…と聞くとおいそれと辿りつけない場所という印象を受けるが、近年は空港到着から旅をサポートしてくれる熱帯雨林エコツーリズムがあるので、足の問題は心配なくなった。アマゾンの自然に敬意を払いながら濃密な生命力のうねりを体感しよう。

限りなく自然に近づいた宿

環境庁によると、エコツーリズムとは「地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組み」。今回のツアーを開催したレインフォレスト・エクスペディション社もこの定義にたがわず、先住民族エセエハの人々が雇用されているロッジ、ブラジルナッツ林に立地して地元の運営者と一緒に林を管理しているロッジなど特色ある宿を運営している。
川辺からのっそりとこちらを眺めるカピバラや白いワニと目が合いながら「到着したよ」と言われてボートが乗り上げたのは、木の板で簡単に作られた足場。草むらの中の小道を登ってジャングルに入り込むこと数分でロッジが見えてくる。木造りの壁や廊下、シュロの葉を積んだ屋根の建物は木々が生い茂る周囲にしっくり溶け込んで、まるでそこだけ大きな家の形になったよう。建物全体に窓ガラスもドアの扉もなくて、屋内にいても外との境界を限りなく感じさせない造りになっている。ハンモックに揺られつつ野鳥の合唱をBGMにまどろむ昼下がりは、心も体もぐっと自然に近づけてくれる至福のひとときだ。

密林探検にいざ出発

朝昼晩と催されるジャングル探索には、インタープリターと呼ばれる青年たちが同行する。彼らは単なるガイドではなく、五感を駆使して自然と人を結びつけたり伝達したりするエキスパート。木の匂いを嗅がせたり、微かな物音をキャッチしたり、自ら木登りをしたり、ユーモラスで即興的な演出で道中を大いに盛り上げてくれる。そして動物探しが抜群にうまい。枯葉に隠れるように掘られた穴に潜むタランチュラ、エサを丸呑みして動けなくなってしまった黄緑色のボアなど、まるで自分の家の庭のように見つけ出してしまうのだ。ここでは動物もさる事ながら、印象的なのは鬱蒼と茂る植物群だ。映画「アバター」に登場する巨木のモデルとなったセイバは、30人が手をつないでやっと届くような圧倒的な太さ。この木はいつまでもジャングルの真ん中に鎮座しているんだろうなと思わせる一方で、日なたに向かって地上に出ている根が少しずつ動き、1年で5㎝ほど移動するウォーキングパーム。先住民族のシャーマニックな儀式に使用される神秘の植物アヤワスカも、何気ない顔をしてつるを絡ませる。熱帯雨林の植物は、物言わねどもいちいち個性が強い。ジャングルから抜け出してアマゾン川に漕ぎ出すと、ピラニアが水面下にうじゃうじゃと集ってくる。歯をむき出しにして獰猛にジャンプする様子を見ながらどうかここで小舟が転覆しませんように、と心の中で必死に祈る。冒険に疲れたら果樹園に行って木に登り、甘く熟したフルーツを取って味わおう。
森林伐採や利権争いなど難しい問題を抱えるアマゾン。けれどエコツーリズムはこの地の圧倒的なエネルギーを私達に体感させ、地元の人々の生活向上や自然環境の維持に貢献する方法を提示してくれる。これからも期待を寄せたい旅のスタイルだ。

More Info
● ペルー政府観光局公式サイト(日本語)
www.peru-japan.org

● プントセロ(日本語)
puntocero.pe

● レインフォレスト・エクスペディションズ
www.perunature.com



 
 

Tambopata, Peru