桁外れな大自然の懐に抱かれる
Yosemite National Park ,U.S.A.
ヨセミテ国立公園(アメリカ合衆国)(2012年10月5日記事)

Yosemite National Park ,U.S.A.

誰もがその名前を耳にしたことがあるだろう、アメリカを代表する国立公園ヨセミテ。この国立公園のあるシエラネバダ山脈はネイティブ・アメリカンの故郷で、4000年ほど前から住み着いていたとされる。元々はアワニー(大きな開いた口)と呼ばれていたが、19世紀にアメリカ陸軍の従軍医師がヨセミテと命名した。その大きさを数字にすると3029平方メートル、東京都の約1・5倍の規模だ。カナダでの生活が長くなってくると、圧倒的なスケールの大自然にもすっかり慣れたと感じる方もいるかも知れない。しかし、サンフランシスコから5時間車を走らせた先に現れるヨセミテ国立公園に一歩入ると、アメリカ大陸の雄大さを改めて感じずにはいられないだろう。

滝、湖、岩山、そしてセコイアの樹林へ

公園内に入ったら、まずはヨセミテ渓谷へ。ここは滝や巨岩などの見どころが数多く、その中心にあるヨセミテ・ヴィレッジはホテルやキャンプ場などの宿泊施設が集まる観光のハブ地点。荷物を下ろしたら、早速外に出かけよう。この自然の宝庫では、滝観賞や湖畔散歩から過酷なロック・クライミングまで、体力や好みに応じて様々な楽しみ方ができる。
例えば、センチネル・ドームは一番シンプルな初心者向けトレイル。とはいえお団子のような丸い頂上は標高2476メートル。途中、荒涼としたロッキーロードを越えて行かなければならないが、澄んだ空気の清々しさと、野生動物や植物と遭遇する楽しみで苦にはならないだろう。登り切ると、見渡す限りゴツゴツと険しい山岳が広がる。太陽光線のせいか、遠くの岩肌は青みがかって見える。そして、その間には真っ直ぐに伸びる樹々。空がどこまでも広く低く感じられ、絵に描いたような青空には、真綿のような雲がモコモコと広がる。こちらに迫ってくるような雲や、果てしなく横へ横へと伸びていく雲、あまりの壮大さに、つい嘘か冗談のような景色だと思ってしまうが、紛れもなく全てが本物だ。足慣らしのトレイルというには贅沢な、シエラネバダ山脈の懐にすっぽり入り込んだと実感する至福の時が待っている。
このヨセミテ国立公園にはジャイアントセコイアの森がある。ジャイアントセコイアはスギ科の植物では世界最大。その迫力を間近で感じるには公園南端のマリポサ・グローブへ。ここでは上を見上げながら歩くのが基本。なぜなら、100メートル近くある木々の間を歩くので、真っ直ぐ前を見ているだけでは土俵のような大きさの幹しか見えないから。首が痛くなっても樹齢2700年のグリズリー・ジャイアントと出会うまでは我慢、我慢。数十年に一度起こる山火事を乗り越えて成長してきた最長老のセコイアだ。

写真家からロッククライマーまで人々の心を捉えるヨセミテ

多くの人の心を魅了するヨセミテ、写真家のアンセル・アダムスもこの国立公園の大自然を愛した1人だ。月の下や雲の中にそびえる岩山ハーフドームの写真は彼の代表作。公園内のアンセル・アダムス・ギャラリーには、彼が考案したゾーン・システムという技法による繊細なモノクローム作品が展示されている。
またここは、世界中からロッククライマー達が集まるクライマーの聖地でもあり、登竜門でもある。滞在中、キャンプ生活をしながら岩登りにひたすら明け暮れる「クライミング・バム」と呼ばれる人達とすれ違うこともあるだろう。明日には帰途に着かなければならないという時に、世界最大の花崗岩の絶壁エル・キャピタンに登る米粒のような人の姿を見ていると、自然の中で自由に生きることを選んだ彼らの生活が少しだけ羨ましくなってしまう。

More Info
● カリフォルニア州観光局(日本語)
www.visitcalifornia.jp



 
 

Yosemite National Park ,U.S.A.