オンタリオ州の紅葉の郷へ
Algonquin Provincial Park, Ontario
アルゴンキン州立公園(オンタリオ)(2014年10月3日記事)

Algonquin Provincial Park, Ontario

トロントの北、オタワの西に位置するアルゴンキンは、誰もが知る紅葉の名勝地。カナダで最も古い州立公園は東京都の3倍以上の7725平方キロの面積を持ち、年間約100万人が訪れる人気スポットだ。

特にサトウカエデの林が色づく初秋は、息を呑むような眺めを目指してやって来る人が引きも切らないピークシーズン。毎年一度は足を運びたくなる、森と湖の懐に飛び込んでみよう。

赤いグラデーションに染まる再生の森

トロントから車で片道3~4時間のアルゴンキン州立公園への道は、これからの季節の週末になると北を目指す車がぐんと増える。9月半ば頃になると辺り一面のサトウカエデの葉が染まり始め、10月半ばまで紅葉が続くからだ。日帰りドライブやバスツアーに加え、近年はトロントのダウンタウンとアルゴンキン州立公園を結ぶパークバスが運行している(夏季・秋季限定)。

公園でぜひ訪れたいのは、園内唯一の自動車道ハイウェイ60号の通る東門近くのビジターセンター。公園を高台から大パノラマで眺められる屋外展望台は見逃せない要所だ。緑や黄色に赤がちらちら混ざる紅葉が徐々に色合いを変えていき、最盛期にはサトウカエデの葉の燃え盛る赤色が広がる絶景を目にすることができるだろう。



ビジターセンターのほど近くにあるのが、アルゴンキン・ロギング・ミュージアム。ミュージアムといっても約1.5キロのゆるやかなトレイルを歩きながら森の中の展示物を巡るもので、数多くあるトレイルコースのひとつ。行程を進むにつれて、アルゴンキンの近代史が紐解かれていく。古くはホワイトパインの木が多く生い茂っていたアルゴンキンでは、1830年代から激しい森林伐採が行なわれた。

ロギング・ミュージアムのコースには作業員達の暮らした小屋や古い機関車の車体が「グッド・オールド・デイズ」のように展示されているが、度を越した伐採のせいで森は無残に荒れ果ててしまう。1893年に州立公園になってからは森林伐採と並行してホテルや鉄道駅が建設されリゾート地として栄えた後、1970年代になると森林の再生に力が注がれ始め、リゾート施設のあった場所は再び森に還って圧巻の樹林地帯が蘇った。

変遷の果てに環境に意識が向けられ、美しい自然を取り戻したアルゴンキン州立公園。生命力みなぎる樹海の中に、私達へのメッセージが込められているのではないだろうか。



トム・トムソンの面影を追いかけて

アルゴンキン州立公園に縁の深い人物といえば、カナダを代表する20世紀初頭の画家トム・トムソン。うつろいゆく自然をテーマとした彼は消火隊やガイドとして働きながら、アルゴンキン州立公園の四季を精力的に描いた。しかし1917年7月、園内西側にあるカヌー・レイクで行方不明となり、8日後に遺体が発見される。死因は溺死と判明したものの、謎に包まれた最期は今も伝説的に語られ続けている。

カヌー・レイクのヘイハースト・ポイントには、彼の記念碑が無言で佇む。車で行くなら秋のドライブを楽しみながら、ハイウェイ沿いのアルゴンキン・アート・センター(10月19日まで開館)に立ち寄るのもおすすめだ。アートと自然と環境の架け橋を目指すギャラリーで、アルゴンキンを心から愛したトム・トムソンの後継者達の作品をしっとりと鑑賞しよう。



Info
●カナダ観光局公式サイト(日本語)
jp-keepexploring.canada.travel

●パークバス公式HP
www.parkbus.ca