おもいきりアウトドア・アドベンチャー!
Algonquin Provincial Park
(2016年6月17日記事)

Ontario

©OTMPC, Clifford

おもいきりアウトドア・アドベンチャー!

トロントから北に約3時間車を走らせると、アルゴンキン州立公園にたどり着く。7,725平方キロメートルにもおよぶ広大な敷地は、日本で14番目に広い県である宮崎県とほぼ同じというから驚きだ。北方に分布する針葉樹林が、南方に分布する落葉広葉樹林に移り変わる位置にあるこの公園では、どちらの植生も見られ、多様な動物が生息する。加えて、公園内には約2,500もの湖沼が点在し、さらに豊かな自然環境を作り出している。

同地が州立公園に制定されたのは1893年のこと。主に家具用材として用いられるパイン(松)の伐採地だったこの地域では、19世紀の経済発展に伴い、急激な木材伐採が行なわれたという。過ぎた開拓から自然を守り、豊かな森と水源、そして動物たちを保全するため、オンタリオ州は同地を州立公園として管理。現在ではオンタリオ州最大の州立公園となった。この豊かな自然環境のおかげでここでは、森林を生息地とするムースやアメリカグマ、希少なシンリンオオカミなどに加え、260種を超える野鳥や1,000種もの植物を見ることができる。


©OTMPC, Wilson

©OTMPC, Opiola

©OTMPC, Butterill

カヌーとキャンプのパラダイス

公園の特徴といえば、なんといっても無数の湖沼と、それらを結ぶ川によって形成される水路。その総距離は2,000キロを超え、世界のカヌーイストからは憧れの地として有名だ。この大きな公園、道路は南側をかすめるように通る高速60号線1本のみ。だから湖畔にあるキャンプサイトからキャンプサイトをカヌーで移動するのが、アルゴンキン公園の楽しみ方の1つとなっている。カヌーで川に繰り出せば、ビーバーが作ったダムに遭遇したり、水浴びするムースを見かけたりすることも珍しくない。また、早朝のカヌーは特に最高と言われていて、朝霧、朝日差す湖面、水鳥の鳴き声…それらが神秘的な美しさをもたらすそう。カヌー未経験の人は、公園内外にあるカヌーストアなどが行なっているガイドツアーに参加するのが確実。パドルの使い方など、ひととおりの講習を受けることができ、気軽に楽しめる。もちろんカヌーはレンタル可能。キャンプ場もさまざまで、整備されていないバックカントリーでも、ロッジなどでも楽しめる。夜には、遠くで鳴く鳥や虫たちの声をBGMに、降るような星の瞬きを眺めながら、おしゃべりを楽しみたい。

カヌー以外にも楽しみ方はたくさん。公園内には、気軽な散策コースから本格的なものまで、ハイキングトレイルが充実。ムースやキツネの足跡を見ながら、深い森の色彩でリラックスできる。レンタサイクルで、いくつもあるサイクリング・コースを行くのもいい。ちなみに、近年ではファットバイクの人気が高まっており、冬のアルゴンキンでは、雪上を走れるよう開発された、極太タイヤを履いたファットバイクに乗るバイカーたちが見られるそう。ほかにもバードウォッチングや釣りなど、アウトドアアクティビティには事欠かない場所だ。いろいろなガイドツアーもあるので、不慣れでも楽しめる。


©Ontario Parks - Algonquin

森林浴を楽しむ湖のほとり

本格的なアウトドアばかりではなく、意外にもリゾートでゆっくりできるのもアルゴンキンのいいところ。公園内には複数のリゾートロッジがあり、プライベートレイクでのウォータースポーツをはじめ、ゴルフや乗馬など、さまざまなスポーツが楽しめる。

アルゴンキン州立公園が北米東部最大のオオカミの保護エリアであることから、公園のシンボル的存在として扱われているオオカミ。絶滅が懸念される彼らの生態を知り、声を聞くことができるプログラムが、パブリック・ウルフ・ハウルズだ。州立公園が開催する人気プログラムで、集合場所は、60号線の東西のちょうど真ん中あたりにあるアウトドア・シアター。ときには2,000人を超す人が集まる。夜8時ごろからガイドによる、カナダ東部に生息するシンリンオオカミの生態や彼らが行なう狩猟などの解説と、オオカミを真似た長い遠吠えの実演があるのだが、これにオオカミが遠吠えを返してくるのだ。暗闇からオオカミの返事が聞こえるのは、とにかく興奮モノ。人間の遠吠えをどう思っているのか? なんと返事をしているんだろう? 想像は尽きない。全体で3時間程度のプログラムは8月の毎週木曜日と、9月の第1木曜に開催が予定されている。


©OTMPC, Heringa


©OTMPC, Heringa

ところで60号線沿いには、アルゴンキンの自然や歴史を伝える施設が3つ点在しており、どれもおもむきがある。公園の東端ゲートから入ってすぐにあるのはアルゴンキン・ロギング博物館。木こりたちが手作業で木を切り倒していた時代から、近代化を遂げ、林業が盛んだった19世紀にかけてのアルゴンキンの様子を見ることができる。アルゴンキン・ビジター・センターにはカフェテリアと書店があるほか、シアターでは公園の歴史をまとめた映画が見られる。また、アルゴンキン・アート・センターは、アルゴンキンの自然を好んで描いたトム・トムソンの作品など、アルゴンキンの自然に関わるアートを中心に収集したギャラリー。鮮やかな色彩と強いタッチで描かれた彼の作品は、アルゴンキンの力強い自然を美しく描いている。

2010年からはパークバスがバスの運行を始め、より手軽に公園を訪れることができるようになった。トロント・アルゴンキン間は夏季運行期間中、金曜を中心に週1、2便発着している。トロント市内4か所の停留所から発着し、アルゴンキンでは主要なアウトドアストアやカヌードックなどの近くにとまるので便利。レンタルのカヌーや用具などがパッケージになったチケットもあるのでチェックしてみて。


©OTMPC, Jeff Speed

街の喧騒を逃れ、大自然の中で息抜きをするのにぴったりのアルゴンキン。夏の気候は9月下旬頃まで続く。9月の最終週から11月のサンクスギビングデーにかけては週末の混雑が予想されるため、平日に訪れるのがおすすめ。秋には一面の紅葉が見事だ。

Info
アルゴンキン州立公園
www.algonquinpark.on.ca

アルゴンキン・アート・センター
www.algonquinartcentre.com

パークバス
www.parkbus.ca/algonquin




 
 

Algonquin Privincial Park,Ontario