『風と共に去りぬ』の故郷
Atlanta, U.S.A.
アトランタ(アメリカ合衆国)(2013年12月20日記事)

Atlanta, U.S.A.

アメリカ南部ジョージア州の州都であり州内最大の都市アトランタ。夏は蒸暑く冬も比較的温暖な気候から「ホットランタ」と呼ばれ、CNNやコカ・コーラなど大企業の本社が林立し世界有数のハブ空港を擁する。そしてアトランタといえばやはり『風と共に去りぬ』だろう。南北戦争時の南部を舞台にした長編小説は聖書に次いで多くの言語に翻訳され、1939年に公開された映画は当時まだ珍しかったテクニカラー技術を用い鮮烈なイメージを残している。世界最大の花崗岩でできた山ストーン・マウンテンとダウンタウンの摩天楼のきらめきを抱え込んだメトロポ リスが、この世界的大ベストセラーの生まれ故郷だ。




フィクションを超えた名作の町

USA

アトランタの足として頼りになるのが、バスや電車を網羅する都市交通システム「マルタ」。空港からダウンタ ウンや郊外へとアクセスよく移動できるので、大概の場所は車がなくても行ける。たとえば『風と共に去りぬ』の 作者マーガレット・ミッチェルが住んでいたマーガレット・ミッチェル・ハウスへは、町の中心ファイブ・ポイン ツ駅から地下鉄で約10分。 ミッチェルは元々アトランタの地元紙の記者で、建物内には彼女が取材する姿の写真 や新聞記事が展示され、小説家ミッチェルとまた別の顔が垣間見える。『風と共に去りぬ』が執筆された書斎に入 ると、真摯にタイプライターに向かう彼女の姿が目の前に現れそうだ。2度の放火に遭いながら立ち直ったこの建 物自体が、不屈のヒロイン、スカーレット・オハラを彷彿とさせる。
『風と共に去りぬ』関連の施設は、他にも郊外のマリエッタ地区に風と共に去りぬ博物館、ダウンタウンから車で30 分のジョーンズボロにはタラへの道博物館がある。前者は映画でスカーレットに扮したヴィヴィアン・リーが身につけた衣装や直筆サインなどが展示され、後者は架空の地タラのモデルとなった場所。どちらの博物館も熱狂的なファン所有のコレクションや膨大な写真の並ぶ空間がこの上なく濃密で、もはやスカーレットやバトラーが実在しないことの方が不思議な気がしてくるほどだ。

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ところでジョージア州は桃の名産地。アトランタの大通りはその名もピーチツリー・ストリートで、他にピーチツリーという名の通りが約70もある。
そしてぜひ食べたいのがピーチコブラー。古きよき南部を感じさせる、桃を焼いた素朴なデザートだ。『風と共に去りぬ』のピティおばさんの名前が冠されたピティパッツ・ポーチ・レストランでは、地元で取れた芳しい桃の上にシ ナモンアイスクリームが乗った熱くて冷たい一品を味わえる。








コカ・コーラのワールドカップ?



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アトランタ生まれの世界で愛されているもうひとつの物は? といえば、コカ・コーラ。博物館のワールド・オブ・コカ・コーラは、ピーチツリーセンター駅から徒歩10分。超モダンな工場見学に来た感のあるここで、まるで小説『チョコレート工場の秘密』のように胸が高鳴るのは、コーラにまつわる都市伝説のせいだろうか。見せ方も 秀逸でコーラの秘密のレシピコーナーはまるでSF映画の実験室だし、歴代ポスター等を展示した広告コーナーはポップなアトリエのよう。ゲームありアトラクションありで楽しく全館を見終わった最後に、世界中のコーラな ど100種類以上を試飲できるのも子どもの頃にみた夢のような話。
いわばコーラのW杯で、日本代表はなんとジュース「ベジータベータ」だった。ワールド・オブ・コカコーラと同じ 敷地内には世界最大規模のジョージア水族館があり、オリンピック公園とCNN本社(見学可)もすぐ近くで回りやすい。北国トロントと比べれば屋外を悠々と闊歩できそうなアトランタの冬だが、屋内にいる間にすっかり日が暮れているかもしれない。 

More Info
● アトランタ観光局公式サイト(日本語)
www.atlanta.net/ja