紅葉が映える石畳の街並み
Boston
(2016年10月7日記事)

U.S.A.


©Massachusetts office of Travel & Tourism

紅葉が映える石畳の街並み

レンガの家と石畳が続く街並みが評判のボストン。紅葉シーズンを迎え、いよいよ美しく木々に彩られている。アメリカで最も早く英国からの入植が進んだ北東6州をニューイングランド地方と呼ぶが、ボストンはそのうちの1つ、マサチューセッツ州の州都。そのため、市内はヨーロッパの気配を残した落ち着いた雰囲気。同時に、市内および近郊には、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、ボストン大学をはじめとする世界的に有名な大学がいくつもあり、アカデミックな都市としても有名。学生が多いため、若者をターゲットとしたショッピングエリアやレストランなどもたくさんある。早い時期に造られたためにコンパクトにまとまった街は、観光にぴったり。トロントからは飛行機で約1時間半の距離だ。


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アメリカの「はじまりの地」をゆっくり散策

当初、英国の植民地として栄えたボストンは、その後、英国からの支配脱却を求めて戦った独立戦争の舞台となり、数々の歴史的事件が起こったことから、「自由の揺りかご」の別称がある。アメリカの建国にかかわる史跡があちこちにあり、その当時に生きた人々の激動の歩みをいたるところで感じることができる。こうした史跡をつなぐフリーダム・トレイルを散策しながら、買い物や食事を楽しむのがボストン観光の定番。1634年に設立された、アメリカ最古の公園であるボストン・コモンの観光案内所がその出発地点だ。そこからマサチューセッツ州議事堂、グラナリー墓地、オールドサウス集会場、旧州会議事堂、その向かいにあるボストン虐殺地跡など16か所の史跡を巡り、終点のバンカーヒル記念塔まで約4キロの道のり。ダウンタウンを中心に、ボストン中心部をまわることができる。道に引かれた赤い線がトレイルの目印だ。16か所と聞くとものすごく長いトレイルのように思えるが、どの史跡も互いに近くに位置しているので、ゆっくり見て歩いても大人の足で2時間もない。


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©Kyle Klein

少し歩いてお腹をすかせたら、トレイルの道中にあるファニュエル・ホール・マーケットプレイスで気軽な食事がおすすめ。トレイルの史跡に含まれるファニュエル・ホールのほか、3棟のマーケットがあるにぎやかなショッピングプレイスで、衣料、化粧品や雑貨などたくさんのショップが入っている。そのうちの1つ、クインシー・マーケットには、およそ150メートルにわたって通路の両側に飲食店が軒を連ねている。建物は19世紀に倉庫として使われていたもので、歴史ある雰囲気。ここはやはり、ボストン名物のクラムチャウダーとロブスターロールを食したい。試食を出している店もあるので、自分好みのチャウダーが選べる。あさりのうまみが凝縮した濃厚なクラムチャウダーと、ソースで和えたプリプリのロブスターをはさんだパンは相性抜群。また、地ビール「サミュエル・アダムス」も楽しみの1つ。18世紀に活躍した、アメリカを独立へ導いた立役者の1人であるボストン生まれの政治家サミュエル・アダムスの名を冠した地ビール。濃い目の色と味が特徴で、深い味とコクは飲みごたえが十分だ。

トレイル以外では、ボストン・コモンのすぐ北にあるビーコン・ヒルに寄ってみたい。アメリカで最も高級な住宅街といわれるルイスバーグ・スクエアやエーコン・ストリートなど、ポストカードになるような、いわゆる「ボストンっぽい」優雅な街並みが見られるエリアだ。細い通りにはレンガが敷かれ、夜にはガス灯がきらめく。響く足音が、別世界に迷い込んだような気分にさせてくれる。


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周囲には魔女裁判の街やリゾート地も

また、アメリカ3大美術館の1つとして挙げられるボストン美術館も、はずせない観光スポット。アメリカ建国100年を記念して、1876年の独立記念日にオープンした同美術館。約50万点を誇る収蔵品は、古代エジプト美術からゴッホやモネ、ルノワールなどの印象派まで幅広い。教科書などで1度は見たことのある作品が数多くあり、さほどアートに興味がなくても楽しめる。敷地は広大なため、見たいものをしぼって行くのがおすすめだ。同美術館は、日本を含む東洋美術のコレクションも有名で、仏画や絵巻物、浮世絵、刀剣なども数多く収蔵されている。海外で日本の古い品を見るのは不思議な感じがするものだが、紹介文などから、日本がどのように見られているのか感じることができて興味深い。


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ボストンは市内だけでなく、1620年に英国人が初めてアメリカ大陸に上陸したプリマス、東海岸一のリゾート地ケープコッドなど、近郊にも観光スポットが点在している。ボストン北東のセーラムは、17世紀に起こった魔女裁判で有名な街。約200名の村人が魔女として告発され、次々と裁判にかけられた。この事件で20人以上が亡くなったという。セーラム魔女美術館では、魔女狩りの再現シーンなどが見られ、集団心理の暴走の恐ろしさを見せつけている。ボストンの北西にあるレキシントンは、1775年に英国軍と独立軍が衝突し、独立戦争の発端となった事件が起こった場所。また、村上春樹ファンならば『レキシントンの幽霊』という作品でもこの土地の名を目にしたことがあるかもしれない。同氏はかつて、ボストンのタフツ大学に客員講師として在籍。ボストンやその近郊を舞台にした作品やエッセイも多いので、足跡を感じながらボストンを見て回るのもいい。


©Kindra Clineff/MOTT

Info
マサチューセッツ州政府観光局(日本語)
www.massvacation.jp

ファニュエル・ホール・マーケットプレイス
www.faneuilhallmarketplace.com

ボストン美術館
www.mfa.org


Boston,U.S.A.