カナダの秋を彩る紅葉のシーナリー
Cape Breton Island, Nova Scotia
ノバスコシア州ケープ、ブレトン島(2015年9月18日記事)

Cape Breton Island, Nova Scotia

Photo: Tourism Nova Scotia
広大な国土にドミノが倒されるように紅葉前線が広がる、秋のカナダ。ノースウエスト、ユーコン、ヌナブトなど北部の準州では早々に葉が色づき始め、カナディアンロッキーは嘆息ものの光景を見せてくれる。しかし美しい色合いと圧倒的な規模の落葉樹林が集中しているのは、なんといっても東部のオンタリオ州、ケベック州、そして大西洋沿岸部。中でもノバスコシア州ケープ・ブレトン島のカボット・トレイルは、沿岸部の宝石と呼びたくなる紅葉の名所だ。世界一のツーリングコースに選ばれただけあり、山々を背景に駆け抜けるバイカー達の姿が風景にしっくりと溶け込む。包み込むような空と海と紅葉の間を縫い進むように、ハイウェイはどこまでも続く。

Photo: Tourism Nova Scotia

めくるめく絶景に息を呑むカボット・トレイル

ケープ・ブレトン島は、ノバスコシア州本土の東端から高架道路でつながった島。この島は中心の町シドニーがある東部、国定史跡ルイブール要塞の南東部、高架道路が架かる南西部、北米最大級のブラドール湖が広がる南部、ケープ・ブレトン・ハイランズ国立公園を擁する北部と、場所によって特徴あるキャラクターを持つ。
Photo: Tourism Nova Scotia

カボット・トレイルはホエールウォッチングの名所プレザント湾を中心に、島の上半分をぐるりと囲む約300kmのハイウェイ。その縦長の楕円の中にケープ・ブレトン・ハイランズ国立公園がすっぽり入っている。「ハイランズ」と呼ばれるケープ・ブレトン高地と重なるこの公園は、落葉樹がビロードのように密に生い茂る秋の紅葉の景勝地。なだらかな起伏が連なる高地は黄金から深紅までのグラデーションがどこまでも続き、言葉にならないほどの美しさとスケールの大きさだ。園内には島の東西の海岸沿いを中心に何十種類ものハイキングコースがあり、まさに大自然の懐に抱かれる体験ができるだろう。

サイクリングコースとしても人気のカボット・トレイル。トレイル下部の真ん中にある町バデックを起点として時計回りに走れば紅葉が厚みを増していく丘を、反時計回りに行けば眼下に太平洋を臨める。紅葉と大海の両方を体感できるのは、沿岸部ならではの眼福だ。ケープ・ブレトン島の紅葉は例年10月前半がピーク。カナダ国旗の真ん中にあるようなカエデの葉がはらはら舞う中で、深まりゆく秋を全身全霊で感じたい。
Photo:Tourism Nova Scotia

Pthoto:Tourism Nova Scotia / Wally Hayes

Pthoto:Tourism Nova Scotia / Wally Hayes

スコットランドの伝統が息づく島

ノバスコシア州は、州都ハリファックスの空港にまでロブスターの水槽があるほど、シーフードを誇る州。ケープ・ブレトン島でも初夏にロブスター漁が行なわれ、港に積み上げられた木製や金属製のロブスター・トラップ(捕獲箱)が風物詩だ。シドニーをはじめ島中でシーフードの看板を出す店とお目にかかり、他にもズワイガニや新鮮な帆立貝など、季節の魚介類がメニューに並ぶ。

一方、18世紀から19世紀にスコットランドから移民した祖先を持つ住民が多いケープ・ブレトン島。今もスコットランド文化が色濃く残り、大勢の人が手をとりあい輪になって踊るケリーという伝統的なダンスが愛されている。島西部の町マブーの名物店「レッド・シュー・パブ」では10月中旬までほぼ毎晩ケリーが踊られるが、印象的なのが伴奏のフィドル(バイオリン)。ケープ・ブレトン独自の奏法があり、現在のスコットランドでは失われた古来の奏法に近いという。テンポの速い音色に合わせて手をつなぎステップを踏む男女の中に、脈々と受け継がれるスコットランド魂が見えるようだ。
Photo:Tourism Nova Scotia

Photo:Tourism Nova Scotia


Info
●ケープ・ブレトン島公式トラベルサイト
cbisland.com