エーゲ海沿岸の別荘地
Çeşme, Turkey
チェシュメ(トルコ共和国)(2012年6月1日記事)

Cesme, Turkey

エーゲ海に突き出た半島の町チェシュメは、トルコ西部の大都市イズミールからさらに西の郊外に位置する風光明媚な別荘地。18~19世紀頃に多くの泉が見つかったことから噴水という意味のチェシュメという名前がついた、青空の下に広がるエーゲ海や温泉にも恵まれた水の郷だ。石畳の敷かれた道をのんびり歩くと、フルーツ売りのスタンド脇や白壁の家々の間など、至るところからネコがひょっこり登場する。トルコはネコ遭遇率が高い国で、チェシュメに来ると更にそれを実感できる。皆なかなか栄養がよさそうなのは、やはりエーゲ海の水揚げのお陰だろう。

トルコの味を堪能する

いわゆる世界3大料理に含まれるトルコ料理だが、こと魚の調理法に関してはとてもシンプル。一番ポピュラーなのは塩とレモンをたっぷりかけた焼き魚で、黒鯛のバルク・ウズガラや串焼きのバルク・シシが代表料理。魚が香ばしく焼ける匂いが海辺のレストランから漂ってくるとネコでなくてもふらりと足が向かってしまうが、まずはあわてずにメゼ(前菜)から始めよう。チーズやカラマリをはじめ、オリーブオイルをたっぷりと振りかけたタコや焼野菜のマリネ等の小皿がずらりと登場する目にも鮮やかなメゼは、食べたい小皿を指せばテーブルに運んでくれる。
そしてメゼのお供といえば地酒のラク。ラクはトルコを代表するスピリッツで、アルコール度約50度。アニスの個性的な香りと甘苦さがメゼと相性抜群の、アクセントの効いた食前酒だ。ラクは食事時の名パフォーマーでもある。注文するとコップが2つ運ばれて来て、1つにはラク、もう1つには氷水が入っており、この2つを混ぜると無色透明なラクが一瞬で真っ白に変身するのだ。別名「ライオンのミルク」と呼ばれる所以である。
そしてもう一つのパフォーマーが、あちこちのテーブルで高々とそびえるフッチュ・ビラ。「樽ビール」という名のこの容器は高さ1メートルもあり、中には国民的人気のエフェスビールが入っている。フッチュ・ビラは透明なので外から飲んだ量が分かり、何とはなしに隣のテーブルの進み具合を意識するようになるのか、あちこちで競争が始まる。働いている人達もその様子を見て囃したてるので、熱く盛り上がることうけ合いだ。
チェシュメは、中心地から車で10分も行けばワイナリーを訪れることもできる。トルコワインは主に気候の温暖な南西部で作られており、なかでもチェシュメ周辺のワイン生産量はトルコ全体の5分の1にのぼる。サルタナ種のぶどうで作った黄金色の白ワインが代表的で、シーフードによく合うドライな飲み口が特徴。ワイナリーでは濃厚で新鮮なぶどうジュースも作られているので、お酒が飲めない人も充分に楽しめる。

クルージングに出かけよう

クルージングに出かけよう ヤシの遊歩道から白いパラソルの並ぶ砂浜に下り、海に丸く輪を描くような形のヨットハーバーへ出ると、そこはエーゲ海クルーズのスタート地点。高級なものから漁船を改造したものまで様々な船が出ているので、航海ルートを確かめていざクルージングに出発しよう。エメラルドグリーンの海原を風を切って進むと、水平線の上に無数の島々が現れる。目の前の大きな島はギリシャ神話に登場するキオス島だ。オリーブ畑が広がり、古代ギリシャの遺跡群とビザンチン様式の世界遺産ネア・モニ修道院が見どころのこの島は、ギリシャ独立戦争を描いたドラクロワの作品「キオス島の虐殺」の舞台でもあり、トルコとギリシャの歴史の要所だ。
夕日が落ちて空と海が薄紅色に染まる頃、浜辺ではトルコ語の別れの挨拶「ギュレギュレ」が耳に入ってくる。「笑顔でさようなら」という意味のこの言葉、チェシュメの夕暮れによく似合う。

More Info
トルコ政府観光局(日本語)
www.tourismturkey.jp
 
 

Çeşme, Turkey