蜂蜜色の世界が奏でる優しい風景
Cotswolds, United Kingdom
コッツウォルズ(イギリス)(2012年8月4日記事)

Cotswolds, United Kingdom

英国の首都ロンドンから北西へ200キロメートル。そこは英国で最も美しいと称されるカントリーサイド、コッツウォルズ。複数の県から成るこの地方一体には、「蜂蜜色の村」と呼ばれる可愛らしい集落や英国の歴史・伝統を色濃く残す建築が存在し、大都会ロンドンの喧騒から少し離れただけで一変する静寂かつ平穏な空間は、同じ国に居ることを忘れさせるほど。だが、これこそ「Typically English」と言われる英国特有の田園風景でもあるのだ。

壮麗な風景と緩やかな稜線

地名を「羊の群が広がる丘陵」に由来し、13世紀から15世紀中頃にかけて羊毛や高品質のウール製品で有名になったと言われるコッツウォルズ。豪奢な家や教会はかつての羊毛産業が築いた富の結晶なのだ。
「蜂蜜色の村」を彩る正体は、文字通り蜂蜜色をした石灰石を積み重ねて造られた家々。昔ながらの姿・形が今でも大切に残され、まるでタイムスリップしたような感覚を喚びおこす。また、牧草地に見られる石の壁は18世紀から19世紀に造られたもので、現在も農民が放牧の家畜を包囲する目的に使用している。そして、さらに英国風を象徴するのが美しい庭園の数々。天気が許せば丸1日、時間を過ごしたくなるほど、草花の造る美しさには心を奪われる。

美しいランドスケープを構成する個性的な町や村を巡る

ウッドストックはウィンストン・チャーチル元英首相の生家であるブレナム宮殿の玄関口。ユネスコ世界遺産でもある豪華絢爛な建物とそれを囲む荘厳な庭園は必見に値する。「コッツウォルズの宝石」と呼ばれるブロードウェイは当地方最大の村。多くの作家や芸術家たちのインスピレーションであったこともあり、国内でも有数の優れたアートギャラリーが立ち並ぶ。
また、コッツウォルズで2番目の高台に聳え立つブロードウェイ・タワーは、1799年に造られたゴシック様式の建築物。晴れた日にはタワーの頂からコッツウォルズの13群を是非とも眺望したい。そして、血生臭いエピソードで有名なウォリック城を有するウォリック。城の意匠が目を惹く一方、15世紀にエドワード4世を監禁した歴史にも興味が注がれる。知名度はもちろん、スケールにおいてもウィンザー城に匹敵し、建物内外の堪能には1日がかりとなるほど広大な敷地に居を構えている。
この他、お風呂発祥の地として知られるバース、「コッツウォルズのヴェニス」の異名を持つボートン・オン・ザ・ウォーター、そして英国の文豪シェイクスピアの生地ストラトフォード・アポン・エイヴォンなど見所は豊富だ。
風光明媚でのどかな田園風景がある傍ら、歴史・伝統の香りを匂わす多種多様な魅力に満ちているコッツウォルズ。大英帝国の世界征服による栄冠、そして今もなおそれにすがるユニオンジャックの権威は、ノスタルジックにもこの国に残るスノビズムを映し出しているだろう。けれども、緩やかな空気流れる素朴な田舎町を訪れたとき、案外これこそが英国らしさかもしれないと、傲慢も偏見も含めて新たに英国の良さを体感するに違いない。

More Info
● コッツウォルズ観光局公式サイト
www.cotswolds.com
●イギリス観光局公式サイト
www.visitbritain.com



 
 

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