50周年を迎える
メープルシロップ・フェスティバル 
Elmira, ON
エルマイラ(オンタリオ)(2014年3月21日記事)

Elmira, ON

今年もメープルシロップ・フェスティバルの季節がやってきた。カナダ東部を中心に北米各地で開かれるメープルの祭典でも、ここオンタリオ州エルマイラのフェスティバルは最大規模。本年は1965年のスタートから50周年とあって、一層の盛大さが期待される。まだまだ気温は低いけれど日差しは大分明るくなってきたこの時期、少しだけ遠出して北国の春の風物詩を体験して来よう。


目指すは不ぞろいパンケーキ

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トロントから西に向かって1時間半のドライブで到着するエルマイラ、その途中で道路にひと目でそれと分かる出で立ちのメノナイトの姿が現れ始める。メノナイトは質素な暮らしを営むキリスト教の一派、彼らが黒い馬車を停めて売っているのはサトウカエデから作られたメープルシロップ。その姿が少しずつ増えてくると、エルマイラに近づいてきた証拠だ。ここは、毎年春先に開催されるメープルシロップ・フェスティバルで有名な町。一日限りのお祭りとあって、ハレの日を楽しもうと集まった人々の活気はかなりのもの。その賑わいはアーサー通りからスタートする。およそ150軒の屋台がずらりと並ぶこの通りは、食べ歩きやおみやげ選びが楽しいスポット。ガラス瓶やブリキ缶に入ったメープルシロップが多種売っており、中にはリンゴの産地オンタリオ州らしくリンゴとメープルのミックスシロップなど変わり種も。そぞろ歩きの途中でお腹が空いてきた頃にアップルフリッターやじゃがいものガレットなどのローカルフードが現れると、つい手が伸びてしまいそう。そしてそれがしょっぱいスナックでも、傍らにはメープルシロップの容れ物が。「とにかく何にでもメープルシロップ」というのが、このお祭りの流儀なのだ。ただしそのすぐ先には名物のパンケーキが登場するので、お腹いっぱいにならないように気をつけたい。このお祭りは2000人以上のボランティアスタッフに支えられており、パンケーキ作りは彼らの表舞台。ふわふわのパンケーキにはもちろん、琥珀色のメープルシロップがたっぷりかけられる。地元の高校生や大人たちが目の前で焼くパンケーキは、大きさも焼け具合もなかなか個性があるというかちょっと不ぞろい。でもその手作り感に味がある。よく見て自分好みのパンケーキの列に並ぼう。

荷車に乗ってメープル林へ


Pizza e Pazzi パンケーキを堪能した後は、もうひとつのハイライトである「シュガーブッシュ・ツアー」に出発。サトウカエデが生い茂る林の中では、一本一本の木の幹に蛇口とバケツが取り付けられている。幹の中から出てきたメープルシロップはバケツの中にポトポト落ちる…わけではない。この樹液は9割以上が水分で、無色透明で甘味もない。メープルシロップはそれをじっくり濃縮したもので、バケツ1杯のシロップを作るには、40杯分の樹液が必要なのだそう。伝統的な製造法では、バケツに溜まった樹液は林の中に吊るされている大鍋で沸かされた後、シュガーシャックと呼ばれる小屋に運ばれてさらに水分を蒸発させ、シロップ成分を抽出する。ツアーではシュガーシャックに入って、もうもうと蒸気が立ち昇る昔ながらの製造過程を見学できる。メープルシロップは色の濃さによって分類され、最も色の薄いエクストラライトが最高級とされるが、ミネラル分がより多いアンバーや季節の終盤に作られるダークもメープルの個性をしっかり感じられて面白い。今年のメープルシロップ・フェスティバルの開催日は4月5日(土)。
猛烈な寒さだったこの冬を乗り越えたメープルシロップ、どんなに甘美な出来ばえだろう。 

More Info
● エルマイラ・メープルシロップ・フェスティバル
www.elmiramaplesyrup.com



 
 
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