氷河が作った奇岩の島
Flowerpot Island, ON
フラワーポット・アイランド(オンタリオ)(2012年6月15日記事)

Flowerpot Island, ON

Ⓒ www.flickr.com(右上、左)、金沢知子(右)

オンタリオ州に居ながら大自然と出会いたくなったら、ヒューロン湖北東部、ジョージア湾に浮かぶフラワーポット・アイランドを訪れてみるといい。 国立海洋公園に指定されているこの小さな島へ行くには、まずはトロントからハイウェイ6号線を北上してブルース半島北端の町トバモリーを目指そう。ブルース半島はヒューロン湖に突き出た半島で、世界生物圏保護区の断層崖ナイアガラ・エスカープメントの北端に位置する。元々は先住民族が暮らしており、今もネイティブのオジブワ族の生活の地だ。
半島には小さな町がいくつもあってバケーションシーズン中はどこもB&Bやモーテルが大変込み合う。中でもトバモリーは人気なので、宿泊の際は早めに予約を取りたい。そして島行きの連絡船が発着するハーバー付近で、船を待ちながら名物のフィッシュ&チップスを味わおう。

湖底散歩気分でハイキング

フラワーポット・アイランドは南北1・5キロ、東西2・1キロの小さな島だが、正味10分から1時間コースまで、変化に富んだ5つのトレイルコースがある。島の名前であるフラワーポット(花瓶)型の岩と出会えるのは、島の東側の湖岸を歩くコース。長い長い歳月をかけて氷河と風に削り取られたこの岩は、ドロマイト質石灰石という四角く切り取ったような独特の割れ方をする石質でできている。もともとは3つの花瓶型の岩があったが、そのうちひとつは1903年に倒れてしまい、今ではふたつの岩が残っている。頭でっかちな巨岩がにょっきりとそびえる景色は奇妙だが、そこはかとなくユーモラスな雰囲気が漂っている。
湖水が打ち寄せる岩の上でのピクニックもいいが、島の中央部を歩くマウンテンコースもお忘れなく。こちらはコケやシダ類がじゅうたんのように辺り一面にびっしりと生えて、道全体が緑色に包まれている様がなんとも神秘的。全方位を植物に囲まれたこのトレイルは、小雨が降っても生い茂る木々の葉が受け止めてくれるので濡れることもない。さながら緑色の洞窟探検をしているような気分になれるだろう。
実はここは、はるか昔にジョージア湾の湖底が隆起してできた島。その後、ブルース半島の変化に富んだ天気と湿潤な気候の恩恵を受けて、鬱蒼とした植物の生態システムが誕生したのだ。つまりこの島のトレイルコースはいわば湖底を歩いているようなもので、はるか太古の時代に空想を馳せながらまわりを見渡すのもまた楽しい。大自然が生み出した生態系に溶け込む心地よさに、身も心もゆだねてみよう。

湖底の沈没船と出会う

トバモリーとフラワーポット・アイランドを結ぶ連絡船の中には、湖に沈んだ沈没船に立ち寄る航路がある。ヒューロン湖とジョージア湾には多くの沈没船が放置されており、フラワーポット・アイランドを含むファトム・ファイブ国立海洋公園付近には22艘の船がほぼ沈没した当時の姿のままで残されている。連絡船から見ることができるのは、19世紀末と20世紀初頭に沈んだスクーナー船。グラスボートに乗れば、ガラス越しに透き通ったブルーの湖の底に沈む船が至近距離にせまり、迫力満点だ。この辺りではスキューバダイビングクラスも実施されていて、沈没船見学を兼ねたユニークな練習を受けられる。
連絡船や多くの店舗は5月から10月のサンクスギビングデーまでの営業が多いので、季節を選んで出かけよう。

More Info
● カナダ観光局公式サイト(日本語)
jp.canada.travel
● トバモリー&フラワーポット・アイランド間連絡船サイト
www.blueheronco.com
 
 

Flowerpot Island, ON