旧大陸に現れる新世界
Frankfurt am Main
フランクフルト・アム・マイン(2012年4月6日記事)

Frankfurt am Main

欧州経済・金融・交通の中心地、フランクフルト・アム・マイン(通称、フランクフルト)。超近代的で斬新なデザインの高層ビルが建ち並ぶ光景から”マインハッタン“の異名を持ち、歴史と文化に根ざす旧大陸の一部でありながら、北米的な雰囲気が漂う大都市である。その理由は第2次大戦だ。敵国の爆撃で歴史的建造物はほぼ失われたが、戦後の劇的な復興によって新旧が交差する今日の街並みが誕生したのだ。

立ち並ぶ高層ビルに移民社会と、一見トロントと共通点を分かち合うフランクフルト。だが、歴史を比較すると、全く異質であると分かる。古代はローマ人の駐屯地として、中世は神聖ローマ帝国として、後にはメッセ(見本市都市)として発展したこの街。大規模な国際見本市の開催地として知られるが、フランクフルト・メッセの名は早くも1150年に現れており、商業的繁栄のルーツは中世にまで遡ることができる。

代表的な観光名所を幾つか紹介しよう。先ずは超近代的な意匠を持つ地上200メートル、54階建のマインタワー。是非とも晴れた日に足を運び、屋上展望台からパノラマビューを堪能したい。宗教的な建築は大聖堂やパウロ教会が有名。前者は神聖ローマ皇帝の選挙と戴冠式を行った教会、後者は1848年憲法制定ドイツ国民議会を開催した重要な政治的シンボルと、いずれも由緒ある建物だ。

また、ドイツ文化を象徴する建築には、階段式屋根が特徴的なレーマー(旧市庁舎)とその向いに並ぶ6軒の木組みの建物、そしてドイツの誇り、作曲家ゲーテの偉業を展示するゲーテハウスとそこに隣接する博物館などがある。そして、ゲーテファンなら一度は巡ってみたいゲーテ街道。フランクフルトから学生時代を過ごしたライプツイヒに至る、彼の軌跡を辿る全長約400キロメートルに及ぶ観光街道だ。加えてアート好きに嬉しいのが、マイン川沿いに建つ30以上の美術館や博物館だろう。中でも、ドイツの重要な古典芸術作品を数多く収めた1818年創設のシュテーデル美術館は必見。また、ケーキの一切れを想像させる個性的な姿から「piece ofcake」の愛称を持つ現代美術館にも足を運び、新旧異なる芸術を見比べてはいかがだろう。

その他、ザイル大街道は100店舗を収容する大型モール「マイ・ザイル」を始め複数のモールを擁し、充実したショッピングが期待できそうだ。

一方、大都市に居ながらにして自然に手が届くのがこの街の魅力でもある。別称「グリーン・シティ」の言葉に表されるが如く街には緑が溢れ、都市型森林公園やウエストエンドに位置する植物園は、共に国内最大のスケールを誇る。

フランクフルトで古き良きヨーロッパの典型を求めると物足りなく感じるかもしれない。しかし、全滅状態に近かった廃虚同然の土地に、次々と新しいコンセプトが具現され、新旧が織り成す都市空間の復元こそがこの街の面白さだ。超近代的で人工的な街並みは浅薄な印象を与えがち。けれども、目に見えない根幹からは旧世界特有の伝統と歴史の重みが感じられる。

More Info
ドイツ政府観光局(日本語)
www.germany.travel
フランクフルト観光局(日本語)
www.frankfurt-tourismus.de
 
 

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