森に囲まれた ニューブランズウィック州の美都
Fredericton
New Brunswick(2015年10月16日記事)

New Brunswick

Photo: Tourism New Brunswick, Canada
フレデリクトンは世界最長の国境「カナダ=アメリカ合衆国国境」を成すセントジョン川を股にかける、ニューブランズウィック州の州都。その旗の紋章にモミの木が描かれているように、町を囲む森林がフレデリクトンの象徴であり「森の高貴な娘フレデリクトン」がモットー。鬱蒼と広がる樹木の海に大切に守られているような、美しく落ち着いた都市だ。
Photo: Tourism New Brunswick, Canada

川に架かる表情豊かな橋々を巡る

Photo: Tourism New Brunswick, Canada

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フレデリクトンの町は、セントジョン川を挟んで大きく南側と北側に分けられる。ダウンタウンのある南側は、歴史的なギャリソン地区や気鋭のビーバーブルック・アートギャラリー、北米最古の公立最高学府を名乗るニューブランズウィック大学など、散策したくなる場所が集まっている。対して北側には、国定史跡の要塞があるナシュワークシスや先住民族セントメリー族の居住区など、近年フレデリクトンに併合された区域が広がる。

異なる特色を持つ両岸を結ぶのはウエストモーランドストリート橋。1981年に開通した750メートルの橋で、車もバイクも人も通行可能。橋の上からは悠然とたゆたうセントジョン川とともに、クライストチャーチ聖堂の尖塔や黒と赤を基調にしたニューブランズウィック大学の建物群が一望できて、町のハイライトを目に焼き付けるには絶好のロケーションだ。ウエストモーランドストリート橋の東には、歩行者とサイクリスト専用のビル・ソープ歩道橋が架かる。この橋はかつて鉄道用だっただけあり、鉄材がむき出しになった姿に機能美が際立つ。

これらの立派な大橋と対象的なのが、ニューブランズウィック州に点在する屋根付き橋の数々。古い木組みの小屋がそのまま小さな橋になったような外観で、現在は州内に約60本の橋が残る。フレデリクトン近郊では、市内から車で東に1時間ほどのロングクリークに1939年建立の屋根付き橋があり、時が止まったような、素朴で牧歌的な姿が印象的だ。

大地と海からおいしい贈りもの

Photo:Tourism New Brunswick, Canada

Photo: Tourism New Brunswick, Canada

フレデリクトンから北西方面へ行ったハートランドにも屋根付き橋が現れる。こちらは世界一長い屋根付き橋で「息を止めたまま通り抜けることができればよい事がある」という言い伝えがあるそうだ。さらにその先のフロレンスビル=ブリストルにも屋根付き橋があるので、できれば足を伸ばしてみたい。「フレンチフライ・キャピタル」を自称するこの小さな町にはポテトワールドという博物館があるのだが、残念ながら冬期は休館。ただジャガイモとニューブランズウィック州は確かに結び付きが深く、その背景には19世紀にアイルランドで起きたジャガイモ飢饉がある。当時ジャガイモの疫病の蔓延で大飢饉に陥ったアイルランドから世界中に人々が移民し、その多くを受け入れたのがニューブランズウィック州だったのだ。彼らの希求が受け継がれているに違いないジャガイモは、州の主要農作物。フレデリクトンには政府が運営する世界トップレベルのポテト研究所もあって、連綿と続くジャガイモ熱を感じられる。ダウンタウンのレストランや街角で、フィッシュ&チップスやプーティーン、厚切りのポテトチップス「ケトルチップス」などに変身したジャガイモとのおいしい出会いに期待が高まる。

大地に根付くジャガイモに対して海産物も豊富なフレデリクトン。大西洋に近いとあって魚介類の新鮮さはお墨付きだが、ローカルな食べ物の中で注目したいのが「ダルス」。これは岩海苔のように岩に貼りついて育つ海藻で、様々なビタミンやミネラルがたっぷり含まれている。フレデリクトンを南下したファンディ湾のグランド・マナン島で採れるものが最上とされ、夏から秋の干潮時に収穫されたあと天日干しにされて店頭に並ぶ。そのままでもほどよい塩味だが、炒めるとまるでベーコンのような風味になるのが面白い。暗紅色の見た目もベーコンに似ていなくもない、気になる地産品ナンバーワンだ。

Photo: Tourism New Brunswick, Canada

Photo: Tourism New Brunswick, Canada

Info
●フレデリクトン観光局公式サイト
www.tourismfredericton.ca