絹と光で輝く美食と歴史の街
Lyon
リヨン(2011年07月01日記事)

Lyon

ローヌ川とソーヌ川が合流する地域に広がるフランス第2の都市リヨン。街の西部はローマ、ルネサンス時代の薫りが漂い、東部は都市特有の活気と喧騒に包まれる。「美食の都」「絹の都」「ハイテクの街」と、様々な異名で呼ばれ、産業・工業で発展した近代的な顔を持つ傍ら、2000年の歴史に彩られた建物が今もなお息づく。このユニークな新旧の調和こそ、リヨンに世界遺産の称号が与えられた所以だ。

世界遺産の街を歩く

街を一望すると、フルヴィエールの丘と旧市街が描く景観が壮麗だ。丘の頂には市民の寄付で創設された街のシンボル、フルヴィエール教会が佇む。麓には14世紀に造られた、天文時計で有名なサン・ジャン大司教教会。そして丘の南には、フランスに残るローマ劇場としては最大とされる円形シアターが跡を遺す。紀元前15年に建造されたこのシアターでは、夏になると「フルヴィエールの夜」と呼ばれるイベントが開催され、連日のようにコンサートやパフォーマンスが上演される。
旧市街では、建物の回廊や中庭を、抜け道のような小さな通路が走る。そしてそれは、この地が第2次世界大戦中に対独レジスタンス運動の拠点の一つだった過去を物語る。当時の革命家たちの残した足跡が今では世界に 誇る景観となったのは皮肉だが面白い。
坂が多いうえに凹凸がある石畳の道は歩きにくいが、昔から変わらぬリヨンの姿は石畳をじかに踏んでこそよく見えるだろう。

美食で贅を尽くす旅

「食通の街」とも言われるリヨンには、国内は元より国外からも多くの観光客が食べ歩きに訪れる。地元の人が伝統的なリヨン料理(母の味)を楽しむブションと呼ばれる庶民的なレストランから、世界的に有名なシェフが主宰する高級レストランまで、バラエティが豊富な上に質の高い食事が比較的手ごろに味わえる。中でも、日本でも有名なポール・ボギューズのレストラン、プチ・ブションは、リヨンっ子の間でも大人気だ。
そして、フレンチ美食に欠かせないのがワイン。北部のボジョレー、南部のコート・デュ・ローヌを始め、リヨンは数多くのワイン名産地に囲まれている。特に質の高い赤ワインに富み、日本でも名高いボジョレーワインは、リヨンを流れる第三の川とおどけて語られるほどだ。更に特筆すべきは、リヨンの歴史を紡いだと言われる絹の生産技術。輸入による財政赤字を削減するために始まった国内産業だったが、世界に誇る絹織産業へと発展し、やがてはこの地を「絹の都」と讃える文化遺産にまでなった。
伝統を守りながら発展を遂げ、世界に誇る文化遺産へと進化したリヨン。この街を訪れるなら冬もおすすめ。毎年12月に開催される光の祭典は、1852年、疫病から街を救った聖母マリアに市民が感謝し、蝋燭の火を捧げたのが起源。昔ながらの蝋燭の灯りと色鮮やかなイルミネーションに、街が幻想的に浮かび上がる。四季を通して楽しめるリヨンで歴史の重みと美しさを感じたい。



〈文/小野寺 こまち〉



More Info

●フランス政府観光局
jp.franceguide.com(日本語)
●リヨン観光局
www.jp.lyon-france.com(日本語)
●ローヌ・アルプ観光局
www.rhonealpes-tourisme.com

 
 
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