スカンディナヴィアの今と昔が交差する
Malmö, Sweden
マルメ(スウェーデン王国)(2014年6月6日記事)

Malmö, Sweden

© Justin Brown / imagebank.sweden.se
エーレスンド海峡をはさんでコペンハーゲンと向かい合う、スウェーデン南部のマルメ。2000年にデンマークの首都とマルメの海路を結ぶ全長16キロの「オーレスン・リンク」が建設されて以来、新たな方向に舵を切って活気を取り戻し、発展を続ける都市だ。サッカーファンならスウェーデン代表イブラヒモビッチ選手の出身地といえばピンとくるかもしれない。北欧の歴史と美意識が随所に見られる建築やデザインに囲まれながら、スカンディナヴィア半島の港町で時間を過ごそう。

© Jörgen Lindström/Malmö Turism

© Oscar Falck/Malmö Turism

© Oskar Falck

© Janus Langhorn

旧市街から未来都市へ

bits

マルメには古い顔と新しい顔がある。古い顔の代表は、鉄道のマルメ中央駅から間もなく到着するストートリィ広場。マルメをデンマークからスウェーデンに取り戻したカール11世の銅像が佇む、この町の顔となる広場だ。
この広場を西側に進むとリラトーリ広場、さらに西側にはガムラ・ヴェステル地区がある。17世紀から活気ある生活の場だったリラトーリ広場は今も変わらず観光客や地元の人達が集まり、夜が更けてもにぎやかな宴が続く繁華街。一方カラフルな家の前に可憐な花々が植えられたかわいらしい町並みが続くガムラ・ヴェステルは19世紀の住宅街。貧しい人々の住む地区だったため取り壊し計画も進まず、今ではそのおかげで町並み保存地区になっている。小路に入るとギャラリーやカフェになった家屋もあっていい雰囲気だ。

そんな旧市街と対照的なのが、海に突き出した港湾地区。造船やセメント工場で栄えた工業港マルメが軌道転換 を始めたのは20世紀末、市が教育や文化の町作りとウォーターフロント地区の開発を標榜した時から。そのメイン プロジェクトが、コペンハーゲンとつながるオステン橋と地下トンネルを組み合わせたオーレスン・リンクの建設 だった。かつてこの町のシンボルだった造船所の海外移転とバトンタッチするように開通したオーレスン橋は、まさしく未来との架け橋となってマルメを牽引し始める。コペンハーゲン国際空港まで続くルートを海を越えて電車が走り、マルメは一気に風通しのよい近代都市へ様変わりした。新生マルメのもうひとつのシンボルは、ヨー ロッパではあまり見かけない近代的な高層ビルのターニング・トルソ。マルメの町のどこから見上げても、そのね じれたシュールな姿が目に飛び込む。スペイン出身の彫刻家兼建築家のサンティアゴ・カラトラバが設計したこの 建物は住居用だが、家の中からは一体どんな景色が見えるのだろう。ちなみにトロントのブルックフィールド・プ レイス(旧BCEプレイス)ビルのアレン・ランバート・ギャレリアも彼の作品だ。このランドマークがそびえるのは、海に面したヴェストラ・ハムネン。「シティ・オブ・トゥモロー」と呼ばれるこの地区は新しい建物が多く、季節の温暖差を利用したエコロジカルなエネルギーが使われている。これからの季節、太陽の下のカフェテラスでオーレスン橋のかかる景色をのんびり眺める人が増えそうだ。
写真左 © Silvia Man

北欧建築を極めた図書館

© 松田雄二

新旧のコントラストが際立つマルメを象徴するような建物がある。それはお城型のクラシックな旧館と、1997年にオープンした新館がつながった市立図書館。特にデンマークの建築家ヘニング・ラーセン設計の新館「The Calender of light」は世界的に評価が高く、マルメでぜひ訪れたい場所の筆頭だ。天井まで続くガラスの吹き抜け空間には自然光が全面に差し込み、周囲の緑地との境を感じさせない開放感と明るさで満たされている。
研ぎ澄まされたシンプルさに北欧らしいモダニズムを感じる新館と、それに寄り添う古めかしくもぬくもりある旧 館。広い図書館の中をそっと歩けば、きっと両方の居心地よさを体感できるだろう。


More Info
● スウェーデン王国公式観光局HP
www.visitsweden.com

More Info
● マルメ公式観光局HP
www.malmotown.com