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Masai Mara, Kenya
マサイ・マラ国立保護区(ケニア共和国)(2012年9月7日記事)

Masai Mara, Kenya

All Photos: © www.flickr.com

東アフリカのケニア共和国。首都ナイロビからプロペラ機で南西に向かって飛ぶと、薄茶から苔緑の原野が広がるばかりの眼下に、未舗装のままの滑走路が現れる。近くにある山にちなんで『キチュワ・テンボ(象の頭)』と名付けられたこの空港で、真っ先に飛行機を出迎えてくれたのはヌーやインパラの群れ。藁葺き屋根の小屋まで降りて預けた荷物が届くのを待っていると、今度はキリンが視界に入ってくる。ここがアフリカでも圧倒的な動物の種類を誇るマサイ・マラ国立保護区へのプロローグだ。

コテージに予期せぬ訪問客?

空港から移動して、まずは保護区内のコテージへ。マサイ・マラ滞在の拠点となる宿泊施設は、サバンナを見渡せるように全方位に窓があるタイプや、オープンベランダタイプ、あるいはテント式ロッジなど様々なスタイルがある。敷地の庭にヒヒやカバが遊びに来たり、物陰から巨大なトカゲが登場したりして、予期せぬ訪問客が好奇心いっぱいに歓迎してくれるかもしれない。
部屋の中を心地よく通り抜ける風を感じながら、野鳥の声を子守唄にうたた寝するもよし。雲の切れ目から平原に注ぎ立つ日光の柱や、その向こうの小雨がそぼ降る灰色の空、そして大地に沈む真っ赤な夕日など、刻一刻と変わる景色を宿から眺めるのもひとつの醍醐味だ。アウトドアでの活動がメインとなる滞在だからこそ、疲れを癒せる快適な拠点を確保することが旅の第一歩なのだ。

アフリカの大地を駆け巡ろう

マサイ・マラは一般的に乾季がベストシーズンとされるが、草食動物の赤ちゃんが誕生し、木々の緑が鮮やかな雨季に訪れるのも悪くない。サバンナを車で駆けて野生動物を鑑賞するサファリは「ゲームドライブ」と呼ばれ、そのハイライトとして動物の大移動ウォッチングがある。7月~10月に訪れることができれば、シマウマやヌーがタンザニアとケニアの間の大地を駆け巡り、国境を流れるマラ川を渡る圧巻の光景を目撃できるかもしれない。 今回の滞在中、川岸に何千頭ものヌーが集まり、大きな塊となって川渡りする光景を目撃した。最初は数頭が恐る恐る水に近づくが、すぐに陸地に戻ってしまう。しかし遂に勇気あるヌーが先陣を切り、それをきっかけに数頭が後に続き、やがて数十頭になり、数列になって川を渡る。中には足腰のおぼつかない子どもを支えたり、立ち往生した仲間を迎えに戻ったりする者もいて、まるで人間同士のようだ。そうこうしている間に、数頭のヌーが川の中に潜んでいたナイルワニに食べられてしまう。獲物が来るまでじっと待ち構えていたワニはワニで、お腹いっぱいになるとのんびり日光浴を始める。その横でなおもヌーは命がけの川渡りを続けていた。
また、四輪駆動車の前面にチーターが飛び乗るハプニングにも遭遇。窓ガラスもサンルーフも全開にした状態で車内を覗かれた時はさすがに緊迫感が漲ったが、数分後にチーターはフロントガラスにほかほかの置きみやげをして悠々と去って行ったのだった。
アフリカの大地を駆けるゲームドライブ。目の前の出来事に圧倒されつつも「自分達が部外者だという気持ちを大切にしながらできるだけ生態系に同化すれば、こういう貴重な瞬間に出会える」ということを、帰る途中で朝から同じ場所にいたリクガメに教えてもらったような気持ちになった。
そして、熱気球に乗って動物観察を楽しむバルーンサファリは、まだ暗い早朝に出発し、朝日が登るとともに見えてくる無数の動物たちの行動を、天空から広大なパノラマで観察できる貴重な体験だ。バルーンからの景色を楽しんで地上に降り立り、サバンナの真ん中で乾杯するシャンパンもまた、鮮烈な思い出になるだろう。

More Info
● ケニア観光局公式サイト(日本語)
www.magicalkenya.jp


 
 

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