北風に感じるヴァイキングの不屈の精神
Oslo
(2016年11月18日記事)

Norway


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北風に感じるヴァイキングの不屈の精神

スカンジナビア半島西側に位置するノルウェー。ノルウェー海に面した海岸線には、世界遺産に登録された西ノルウェーフィヨルド群が広がっている。はるか昔、氷河によって削られた谷に海水が流れ込んでできたフィヨルドは荘厳で神秘的。西部には、ディズニー映画「アナと雪の女王」の舞台のモデルになったロフォーテン諸島もある。

そのノルウェー王国の首都にして最大の都市がオスロ。スカンジナビア半島の東側に位置するこの街は、南側が湾に面し、それ以外の三方が山に囲まれた自然豊かな立地。コペンハーゲン同様、北極圏に近いにもかかわらず、暖流の影響で気候は比較的温暖だ。

オスロの主な観光エリアには、カール・ヨハンス・ガーテ通りをメインにしたダウンタウン、そしてビグドイ地区がある。オスロ・パスという便利なチケットを購入すれば、市内の主な観光スポットだけでなくほとんどの公共交通機関が利用し放題になるのでおすすめ。これらの交通機関で観光スポットが網羅できるのも、オスロ観光の嬉しいところ。

妖精に見守られてクリスマスショッピング

旅の出発点となるオスロ中央駅から、ノルウェー国王の居城である王宮にかけてのびるカール・ヨハンス・ガーテ通り。目抜き通りであるここは歩行者天国となっており、両側におしゃれなショップやカフェ、レストランが並ぶ。雑貨店やインテリアショップには、クリスマスツリーの装飾や、北欧のサンタクロースと呼ばれる妖精ニッセの置き物が。ニッセは幼い子どもくらいの大きさで赤い帽子をかぶり、トナカイが引くソリでやって来て、子どもたちにプレゼントを配るのだそう。この通り周辺でも11月半ばからクリスマスマーケットが開催され、ときにはニッセと記念撮影ができる。


周辺にはオスロ大聖堂や国立美術館などがあり、レンガの建物がいかにもヨーロッパといった雰囲気。17世紀に建造されたオスロ大聖堂は、この街で最も有名な建築物の1つ。レンガ造りの壁と、あとから増築された銅製の尖塔が目立つ威厳ある建物だ。内部にはステンドグラスや6,000本ものパイプが立つ大きなパイプオルガン、巨大な天井画など見どころ多数。観光客には無料で開放されているが、時間は日によって異なるので、確認してからのほうがよさそう。また国立美術館では、ノルウェーが生んだ世界的な画家、エドヴァルド・ムンクの「叫び」などを展示している。オスロ郊外のムンク美術館には、彼の代表作の多くが収蔵されているので、時間をとって回りたい。

ところでノーベル賞はスウェーデン出身のアルフレッド・ノーベルの遺言から設立された賞であり、ノーベル賞の授与式や晩餐会はスウェーデンのストックホルムで行なわれる。だが平和賞だけはそれがオスロで執り行なわれるというのは、あまり知られていないことかもしれない。ノーベルの真意は明らかにされていないが、スカンジナビア半島でヴァイキング時代から繰り返されてきた領土争いの歴史と、ノーベルが亡くなる直前にスウェーデンからの独立を模索していたノルウェーの姿を鑑みて、平和への祈りを込めてそのようにはからったと考えられることが多い。授与式が行なわれるオスロ市庁舎と、その向かいに建つノーベル平和センターも立ち寄りたいスポット。歴代のノーベル平和賞受賞者を紹介する同センターは、古いビクトリア調の鉄道駅を利用しているにもかかわらず、意外にもハイテク技術を取り入れたインタラクティブな展示。楽しみながらさまざまな人の平和への思いに触れることができる。


©Theresa Søreide/Norsk Folkemuseum - Visitnorway.com

3つの王宮を巡ってたどるデンマークの歴史

湾に突き出たビグドイ地区へと足を進めよう。ダウンタウンからのアクセスはバスが一般的。ヴァイキング時代を伝えるさまざまな博物館がある。 ヴァイキングは、8世紀から11世紀にかけて西ヨーロッパ沿海部を侵略したスカンジナビア半島周辺の海賊、またその時代にスカンジナビア半島周辺に住んでいた人々を指す言葉。ヴァイキングといえば、角のついた兜をかぶり毛皮のベストを着た暴れん坊の侵略集団といったイメージがあるのだが、もともとは、優れた造船技術を生かして交易によって収入を得ていたそう。彼らが交易や侵略のかたわらで行なった移住が、のちのヨーロッパ史にも多大な影響を与えている。ヴァイキング船博物館では、実際に8、9世紀に活躍したヴァイキング船を展示。これらは貴人の埋葬に使用されており、土の下に埋められていたために保存状態がよかったという。19世紀以降にこれらの船が発掘された際には埋葬品も一緒に発見されたのだが、貴金属などはすでに盗賊によって荒らされたあと。価値を見出だされなかったのか、残されていた木製品がこの博物館に展示されている。


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ノルウェー民俗博物館は大きな屋外博物館で、過去600年間にノルウェーで建てられた、155軒もの本物の家屋を展示している。敷地は広大で、まるで映画のセットのよう。冬には回るのがつらいが、スターブヒルケという木造の教会が一番の見どころだ。ノルウェー語でスターブは「垂直に立った支柱」、ヒルケは「教会」の意味。ヴァイキングの建築様式が見られる貴重なこの建築は、木に塗られた腐食防止剤で壁が黒々としており、重厚感がある。12月の第1、第2土曜日と日曜日には、同博物館で100以上の屋台が出るクリスマスフェアが開催され、毎年、地元の人々にも観光客にも人気を博している。


©Johan Berge - Visitnorway.com

コンチキ号博物館は、冒険家として知られるノルウェー人の人類学者、トール・ヘイエルダールに関する博物館。同氏は原始的ないかだ船で海を渡ることで、「古代人には大陸から大陸を航海する能力があった」という自説を証明した人物。1947年にペルーからポリネシアまで太平洋を横断したコンチキ号と、1970年にモロッコから中央アメリカまで大西洋を渡ったラー2世号が展示されている。大規模なイースター島の発掘調査を行なった学者でもあることから、博物館にはイースター島の洞窟が再現されており、ノルウェーに居ながらにしてイースター島の雰囲気が味わえる。

©VISITOSLO/Tord Baklund

ノルウェーでぜひ食したいのは、ヤギと牛のミルクでできた甘いブラウンチーズ、グーブランスダールオスト。キャラメルのような濃厚な風味は、サンドイッチやワッフル、肉料理、デザートなど、出番が多い一品。


©cabday/Foap/Visitnorway.com


Info
オスロ観光局
www.visitoslo.com

オスロ大聖堂
www.oslodomkirke.no

ノルウェー民族博物館
www.norskfolkemuseum.no



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