アメリカの歴史を知る町
Philadelphia, U.S.A.
フィラデルフィア(アメリカ合衆国)(2014年5月2日記事)

Philadelphia, U.S.A.

©Andrea Golod for PCVB
アメリカ合衆国独立の中心地となった、ペンシルベニア州フィラデルフィア。1776年7月4日に独立宣言が 署名され、翌年の合衆国憲法が制定された独立記念館が威風堂々とそびえる、かつて首都が置かれた都市だ。白亜の市庁舎や古代ギリシャ神殿のようなフィラデルフィア美術館の建物は、ヨーロッパ人達が新世界アメリカに抱いた夢を体現しているかのよう。北米の古都・フィラデルフィアを探索して みよう。

© Paul Loftland for PCVB

©Paul Loftland for PCVB

©Edward Savaria, Jr., for PCVB/Miles/Weaver

建国の歴史を訪ねて

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フィラデルフィアの町は、オールドシティ、センターシティ、ミュージアム地区の3つの地区が隣接する。まずは史跡を辿りにオールドシティへ。緑の芝生が伸びるインディペンデンス国立歴史公園には、ジョージ・ワシントン初代大統領が就任した国会議事堂や建国の父達が集った独立記念館が存在する。
公園内には30か所以上の見どころがあり、中でも「ここはぜひとも」という場所はリバティ・ベル・セ ンター。独立宣言が初めて読み上げられた時に鳴らされた「自由の鐘」が展示されており、フィラデルフィア訪問の要所となっている。建物内には約900キログラムの重さの合金の鐘が鎮座しているが、 気になるのはその大きなひび割れ。記録がないので真実は闇の中だが、一説によるとイギリスのロンドンで作られた鐘がアメリカに到着してすぐに割れてしまい、地元の職人達が新しい鐘を作り直したという。が、それも音が悪くて更に鋳造され直されたとも。その後全国でお披露目されているうちに鐘にひびが入り、1846年のアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの誕生日の式典で打たれた際に亀裂が広がったのを最 後に、二度と鐘が鳴らされることはなくなった。修復を施されてはいるが見事なひび割れは直しようがなく、むしろ自由の鐘のユニークな特徴として観る者の想像を掻き立てている。
写真左 ©©Anthony Sinagoga for PCVB

オールドシティから西へ進み、生活の中心地として賑わうセンターシティの市庁舎を見上げて、次に向かうのはミュージアム地区。このエリアの顔フィラデルフィア美術館は、古代美術から現代アートまで包括した全米3位の規模を誇る総合美術館だ。特に充実しているのは20世紀美術で、マルセル・デュシャン作品は世界一の収集数。近くのロダン美術館では美しい庭園の中に「考える人」や「地獄の門」が設置され、パリの本家をほうふつさせる。
ところでフィラデルフィア美術館に続く広い階段は、どこかで見覚えがあるような… 実はここ、映画「ロッキー」でシルベスター・スタローンがテーマ曲に合わせて駆け上る階段なのだ。階下に立つロッキー像を前にすると、アメリカン・ドリームを体現したロッキーもしっかりと歴史の一端を担っているのだなと感慨深い。美術館裏側のスクールキル川沿いには19世紀のボートハウスが並び、日が暮れる頃になるとイルミネーションが灯されて絵のように美しく輝き始める。

本場のチーズステーキを

©Andrea Golod for PCVB

気分を変えてジャンクなフィラデルフィアを味わうならば、名物のチーズステーキを食べにダウンタウン南側のイタリア人街へ。ローカルな雰囲気のイタリアンマーケットを更に南下すると、チーズステーキの元祖パッツ・キング・オブ・ステーキとライバル店ジーノズ・ステーキが目と鼻の先でしのぎを削る。両店とも窓口で注文すると、薄切り牛肉にとろけるチーズがのったサンドイッチ「チーズステーキ」が手早く作られて渡され、店先の行列が続々と進む―という流れが24時間年中無休で続いているのがすごい。1933年に誕生したチーズステーキとともに流れる時間も、80年あまりが経とうとしている。 

More Info
● フィラデルフィア観光局HP
www.visitphilly.com