カナダと縁の深い灯台とグルメの町
Portland
(2017年2月3日記事)

U.S.A.


©Maine Office of Tourism

カナダと縁の深い灯台とグルメの町

北西部はケベック州、北東部はニューブランズウィック州と隣接し、目の前に見えるのはノバスコシア州。カナダの3州に囲まれたメイン州はアメリカ最東部に位置し、アメリカとカナダの建国前はノバスコシア州と並んでアカディアと呼ばれる地域の中心地だった。

地理的にも歴史的にもカナダと深い関わりを持つメイン州最大の町であり、州の約3分の1の人口が集中しているのがポートランド。州都オーガスタが政治の中心なのに対し、経済や文化や社会の中心地というポートランドのポジションはちょっとトロントに似ている。いつかはカナダから飛行機で、車で、イーストコーストを起点にアメリカ横断―そんな広大な計画を立てた時、最初の旅宿になるかもしれない町だ。

港町ポートランドは、トロントと同じく細かく分かれた地区〈ネイバーフッド〉で形成される。それぞれが特色ある顔を見せてくれるが、まずは観光の要所が集中したオールド・ポートとムンジョイ・ヒル地区に向かってみよう。


©Maine Office of Tourism

町の南東部にあるオールド・ポートは、玉石が敷き詰められた歩道と19世紀の赤レンガ造りの建物群が立ち並ぶ旧市街。まるで映画のセットのようにクラシックな雰囲気たっぷりで、その突き当りのマリーナにはフォア川に突き出した埠頭が連なる。停泊する船の向こうに沈む夕日が美しい場所だ。目抜き通りのコマーシャル・ストリートや風情あるワーフ・ストリートには、シーフードレストランやクラフトビールが充実したバーやブティックが集まり、寒い時期でも賑わいと活気にあふれている。雪景色の中、歴史を感じさせる建物に照明が明るく暖かくかがやく様子はポートランドの冬の風物詩と言えるだろう。

同じく町の東部にあるムンジョイ・ヒルは、ポートランドの景観をパノラミックに見晴らせる絶景エリア。中でも半島の突端にありカスコ湾に面したイースタン・プロムナードは緑地が1.5マイルにわたって続き、巨大スクリーンのように広がる大海原を眺めるには最高の場所。波間に浮かぶ小島やぽつんと佇む灯台などが北大西洋らしいアクセントになっている。トレイルコースや海岸に下りる小径もあって、町中で自然を体感するにはもってこいだ。地元では親しみを込めて「プロム」と呼ばれるこの公園は、天気のいい日に訪れたい。


©Maine Office of Tourism

Courtesy VisitPortland.com

様々な場所から堪能する港百景

ムンジョイ・ヒルの真ん中に威風堂々と立っているのがポートランド・オブザバトリー。灯台の多いメイン州沿岸部だが、町中の灯台といった趣の赤レンガの展望台はポートランドのランドマーク。1807年に建てられた全米最古で唯一現存する海事信号塔で、1923年まで港に到着する貨物船を観察し続け、米英戦争時には監視塔の役割を果たしていた。建立210周年の今年は戦没将兵記念日の週末からコロンブス・デーまで内部見学ができる。

一方、ポートランド近郊のケープエリザベスにあるポートランド・ヘッドライトも代表的な見どころのひとつ。20世紀の画家エドワード・ホッパーの作品の中の白い灯台が、ポートランド・ヘッドライトだ。静かな美しさの白亜の姿を見れば、ホッパーが描いたような穏やかな天気だけでなく、霧が出ても、雪に埋もれても、夜空の下でも、ポートランド・ヘッドライトがそこに在るだけで絵になることを感じ取れるだろう。

「アメリカ随一の食の小都市」と呼ばれるポートランドで、真っ先に思い浮かぶ名物はもちろんシーフード。さまざまな調理法のロブスターが年中食べられるのをはじめ、クリーミーなニューイングランド・クラム・チャウダーや揚げたてのフライドクラムなど、心まで温まりそうな料理がこの季節は特に食べたくなる。

農産物も豊富なメイン州のポテトを使った地産地消ドーナツにも要注目だ。エクスチェンジストリートとパークアヴェニューにあるThe Holy Donutのポテトドーナツは、マッシュポテト入り生地のおかげで実現したしっとりふわふわの食感と約20種類の日替わりフレイバーが大人気。カラフルで時間がたっても固くならない手作りドーナツはお土産にも喜ばれそうだ。


©Maine Office of Tourism

©Maine Office of Tourism

Courtesy VisitPortland.com

豊かな海産物と農産物を誇る食の小都市

毎年春先に開かれる食のイベント「メイン・レストラン・ウィーク」にはメイン州全土からよりすぐりのレストランが参加するが、ダントツで数が多いのはやはりポートランド。レストランだけでなくオールド・ポートからアートディストリクト地区の店々でカクテルとおつまみを食べ歩くツアーなど、趣向を凝らしたイベントが開催される。今年は3月1日〜12日に開催されるので、グルメな旅の候補地に入れておきたい。

ダウンタウンで存分に食を堪能した後は、車で国道295線を北上すること約20分のフリーポートへ。ここはゴムと革をドッキングさせたビーンブーツで世界的に有名なL.L.ビーン本部がある町だ。年中無休で24時間営業のL.L.ビーンはとにかく広い。旗艦店入口の巨大ビーンブーツにまず驚かされるが、敷地内にはハンティング&フィッシング館、バイク&ボート&スキー館など4つの建物の他公園やカフェがあり、なるほどここが“キャンパス”と名付けられているのに納得。初代ビーンブーツや歴代の名品の展示、アウトドア関連の講演など、ショッピングの範疇を超えてアメリカン・ワイルドライフの真髄が詰まった博物館かテーマパークのようだ。


©Maine Office of Tourism

©Maine Office of Tourism

©Maine Office of Tourism

Info
メイン州公式HP
visitmaine.com

ポートランド公式HP
www.visitportland.com

メイン・レストランウィーク
www.mainerestaurantweek.com


Portland