ニューフランスの歴史を知る町
Quebec City, QC
ケベック・シティ(ケベック)(2012年7月6日記事)

Quebec City, QC

Ⓒ www.flickr.com

ケベック・シティは、カナダ国内で唯一フランス語のみを公用語とするケベック州の州都。この町に降り立つと、北米にいながら突然フランスの街にやって来たような不思議な気分になる。
1534年からこの地に入植したフランス人達は、17世紀にケベック・シティを中心にフランス植民地=ニューフランス(ヌーベル・フランス)を作った。しかしフレンチ・インディアン戦争でイギリス軍に敗れ、1763年にニューフランスはイギリスに割譲されてしまう。以来長らくイギリス系住民による支配が続いたが、住民の大多数がフランス系というこの土地では1960年代から次々とフランス文化復興運動が起こり、今に至っている。
このような歴史からケベック・シティおよびケベック州では言葉だけでなくあらゆる部分にフランスらしさが色濃く残るが、そこにはカナダ先住民、イギリスやアメリカの伝統や文化も混ざり合う。「ヨーロッパ文化と北米文化の交差点」と呼ばれるのもなるほどと思える、非常にユニークな場所だ。

フェスティバルでタイムスリップ

ケベック・シティを散策するなら、夜遅くまで明るい夏や寒さが厳しくなる前の秋がベストシーズン。城塞に囲まれたアッパータウンとその周りに広がるロウワータウンを合わせた旧市街と州議事堂や大通りのある新市街、そしてセント・ローレンス川に面した旧港市場は徒歩で回れる距離にある。ただし城塞の中と外は段差が激しいので、歩き疲れたらロウワータウンの繁華街プチ・シャンプラン通りからケーブルカーでアッパータウンに上がろう。
夏や秋はイベントも多く、夏の風物詩として人気が高まっているのが「ニューフランス・フェスティバル」。8月初旬の数日間(今年は8月1日~5日)、旧市街が17、18世紀のニューフランスに様変わりするお祭りだ。通りには当時の衣装を着た人々があふれ、楽隊パレードが行進する。その様子は古い石畳の街並みに溶け込みすぎるほど溶け込んでいて、タイムスリップした気分になれるだろう。ちなみに衣装を着た参加者は毎年3万人以上。ウェブサイトにはニューフランス時代の髪型や着こなしについての詳しい説明や、豪華なブルジョワから素朴な村人まで階級ごとの衣装の型紙が掲載されている。お手製の衣装を着こなした熱烈なファンが多そうだ。

モンモランシー滝の悲しい伝説

モンモランシー滝までは、旧市街のデーヴュル広場から市バスで片道40分。一番の迫力スポットは滝の上にかかる吊り橋だ。轟音が響く中で目の前に落差83メートルの巨大な滝が迫り、足がすくんでしまうかもしれない。
この滝には伝説がある。フレンチ・インディアン戦争中の1759年、ケベック・シティ近郊に住むルイとマチルドは結婚の約束をしていたが、戦火は日毎に激しくイギリス軍が滝の近くまで進撃してきたため、結婚式の直前にルイは出兵。激戦の後、フランス軍が敵を撃退したと聞いて戦場に駆けつけたマチルドが出会ったのは、ルイの亡骸だった。悲しみに暮れた彼女は、ウェディングドレスを身につけてモンモランシー滝に身投げしてしまう…。今も、秋の夜には滝の近くに花嫁姿のマチルドが現れると言われている。
夏には国際花火大会が開催され華やかにライトアップされる滝も、秋になると紅葉した樹林に囲まれてしっとりした表情を見せる。メープル街道のターミナル地点でもあるケベック・シティは、市街を出ればすぐに大自然に手が届くことも醍醐味だろう。

More Info
● カナダ観光局公式サイト(日本語)
jp.canada.travel
●ニューフランス・フェスティバル
www.nouvellefrance.qc.ca
 
 

Flowerpot Island, ON