駿馬が疾走する緑の草原
Saignelegier, Switzerland
セーニュレジエ、スイス連邦(2015年7月3日記事)

Saignelegier, Switzerland

©swiss-image.ch/Gerry Nitsch
スイス北西部フランシュ=モンターニュ地方の県庁であるセーニュレジエは、見渡すかぎりの緑に囲まれたのどかな村。県庁といっても人口約2200人の小さな集落だが、8月第2週の週末には静かな村が一変し、格別なにぎわいを見せる。馬のパレードやレースが行なわれる歴史ある馬祭り「マルシェ・コンクール」をめがけて、世界中から4〜5万人が集まってくるのだ。 愛馬家が多く、馬と触れ合うことで癒されるホースセラピーまであるスイス。マルシェ・コンクールは夏空の下に駿馬達の溢れるエネルギーが一堂に会する、この土地ならではの年に一度のイベントだ。

©ST/swiss-image.ch

©swiss-image.ch/Gerry Nitsch

スイスが誇るフランシュ=モンターニュ

ジュラ山脈の麓に広がっているフランシュ=モンターニュ地方は、その名も「フランシュ=モンターニュ」という種類の馬の産地。20世紀に他の種類のスイス馬がすべて絶滅してしまった後も唯一残る馬で、その優秀さと丈夫さからスイス軍でも活躍している。セーニュレジエは古くから”馬の村“として知られており、1897年に馬の見本市として始まったマルシェ・コンクールの開催は今年で第112回目。現在も見本市は行なわれているが、メインは400頭の馬のパレードや、ピンクや青の民族衣装を着た女性達が馬に乗って行進するショーなど。夜にはコンサートもあり、観光客が楽しめる要素がふんだんに詰まっている。今年のマルシェ・コンクールは8月7日から9日に開催。開催週にはそれに先立って、ポニーレース等の関連イベントが始まる。古くから地元の人々の生活に密着してきた馬達の、ここ一番のハレの一週間だ。

©ST/swiss-image.ch

©swiss-image.ch/Karl-Heinz Hug

ところで、かつてフランシュ=モンターニュ地方にはスイスの高級時計メーカーのパーツ工場が集まっていた。その職人的な技術の精神を受け継いだと言えそうなのが、セーニュレジエにあるビール醸造所「ブラッスリー・デ・フランシュ=モンターニュ(BFM)」(見学可)。ワイン作りのスペシャリストだったオーナーが手がけるビールは、醸造用の樽の木材からスパイスやハーブなどの組合せまで、全てが斬新な製法で作られる。黒胡椒やハーブが香るビールは、なるほどワインを思わせる複雑で独創的な個性。誕生からまだ20年も経たない小さな醸造所はアメリカや日本でも評判を呼んでいる。美しい馬とクラフトビールの魅力的な組合せが、まさしく今のセーニュレジエの顔なのだ。

大自然を五感で堪能する一日

この辺り一帯は、2012年からドゥー広域自然公園に指定されている。ジュラ山脈の野性味あふれる懐に飛び込みたくなったら、鉄道駅のレンタルバイクステーションへ。マウンテンバイクや電動付き自転車から子ども用のものまで選べるので、自分に合ったツーリングを楽しめる。スイスとフランスの国境をまたいで流れるドゥー川沿いの道を走り抜けると、沿道の牧場でのんびりした普段の顔の馬達と遭遇するかもしれない。深い緑に包まれた荒々しい山肌、針葉樹の森が鏡のように映る湖、糸のように繊細な飛沫をあげる滝など、変化に富んだ大自然を五感を研ぎ澄ませて堪能しよう。近隣の村々には、ドゥー川沿いのテラス席で名物の鱒料理を提供するレストランが。立派な大きさの姿焼きは、ジャガイモやレモンを添えたシンプルな味付けが主流。走り疲れた後に清流を眺めながら食べる地産の味は、この上なく美味に違いない。

©swiss-image.ch/Gerry Nitsch

©swiss-image.ch/Gerry Nitsch

©swiss-image.ch/Gerry Nitsch

Info
●スイス政府観光局公式サイト(日本語)
www.myswiss.jp