潮風が心地よい太平洋の大都市
San Diego, California
(2017年6月16日記事)

U.S.A.


Photo by 金沢 知子
カリフォルニア州の中ではロサンゼルスに次ぐ規模の都市サンディエゴ。メキシコとの国境に面したアメリカ西南部に位置し、一年を通してほぼ常にうららかな晴天の、うらやましい気候と美しい海に恵まれた場所。「夢のカリフォルニア」を体現しながら、情報企業や最先端の研究施設の集まる大都市の顔を見せる一方で、数多くの軍事基地を持つ。ロスやサンフランシスコに比べるとあまり情報のないサンディエゴだが、実際に訪れてみると想像以上の規模と多様性に驚かされ、いくらでも歩き回りたくなってしまう町なのだ。


Photo by 金沢 知子

サンディエゴ国際空港からダウンタウンに向かうと、走る車と並行するように飛行機が離着陸する様子が目に飛び込んでくる。まるで在りし日の香港のカイタック空港! あまりの近さに驚かされるが、太平洋と空港の間を走るドライブウェイを南下しているのだからよくある光景だ。反対側の車窓には大海原が広がって、こちらは開放感でいっぱい。飛行機から降り立って早々、中心街まで片道わずか10分弱の距離の間にハイテクと大自然というサンディエゴらしい両局面が垣間見えてくる。


Photo by 金沢 知子

市街には特色あるエリアが集まっており、オールド・タウンもそのひとつ。真っ赤な市電サンディエゴ・トロリーのオールド・タウン駅前すぐから始まるこの歴史地区は、19世紀半ばまではメキシコだったサンディエゴ発祥の地。1769年に建てられたカリフォルニア初のキリスト教伝道所ミッション・サンディエゴ・デ・アルカラの建物が残り、メキシコ雑貨の店やレストランがカラフルな色彩を添えて、異国情緒が色濃くただよう。テキーラの飲み比べをしたり、チョコレートや唐辛子入りのモーレソースで煮込まれた肉料理を味わえば、流れてくるラテン音楽に自然と体が動き出す。サンディエゴからは20分ほど車を飛ばせばすぐにメキシコに行けるが、市内にいながらでもこうして濃厚にメキシコを体感できてしまうのだ。


Photo by 金沢 知子

港町サンディエゴを歩くなら、コロナド島を囲む内海のサンディエゴ湾へ。水兵が女性を抱きしめてキスする「キッシング・セイラー」のモニュメントのそばの埠頭には、軍事博物館に生まれ変わった航空母艦ミッドウェイが海に係留し、いかにも軍港の町といった光景だ。かつて横須賀を母港としてベトナム戦争や湾岸戦争で威力を示した軍艦は、今もその巨大な姿で強烈な存在感を放つ。退役軍人がナビゲーターを務める博物館内部では、操縦席に座ったり飛行機が並ぶ飛行甲板を眺めたりと、本物の空母ならではの臨場感を味わえる。

80年代サンディエゴの青春が甦るあの店へ

サンディエゴは1980年代に大ヒットした映画 『トップガン』の舞台にもなったが、トム・クルーズが演じた海軍パイロットのマーヴェリックと仲間達がピアノを弾き、歌い、語り合った憩いの場所が、港から歩いて数分の場所にある「カンザスシティ・バーベキュー」。店内にはトップガンのポスターやスチール写真が所せましと飾られ、その前で記念撮影をする人が引きも切らない。アメリカンな熱気の中で濃厚なバーベキューソースが絡むリブを頬ばれば、映画の中にいるようなノスタルジックな気分になるかもしれない。先日ついに続編の制作が発表されたトップガンは一作目の公開から30年以上の年月が経ったが、マーヴェリックが若き日を過ごしたこの店は今も賑わいを見せている。

そして日が暮れる頃に訪れたいのが、ガスランプ・クオーター。開発当初の19世紀にガス式の街路灯が敷かれたこのエリアは、薄暗くなるにつれてレトロな灯りとネオンが輝き始めて夜の街の趣きたっぷり。シーフード・レストランやバーなど何百件もの飲食店が軒を並べて、ナイトライフを楽しみに来た人達で連日盛り上がりを見せる。その昔ガスランプ・クオーターは、オールド・タウンに対してニュー・タウンと呼ばれていたそうだ。今では共に国の歴史地区に指定されて、それぞれが異なる魅力を現代に伝えている。


Photo by 金沢 知子


Photo by 金沢 知子

他にもビーチボーイズの「Surfin‘ USA」で歌われたサーフポイントでアザラシウォッチングのできる海岸ラ・ホヤ、ヨーロッパの雰囲気漂うリトルイタリーなど、トロリーや車に乗って足を伸ばしたくなるスポットはまだまだあるが、限られた日数でサンディエゴを回る時に、たっぷり時間をかけたいのがバルボア・パーク。ダウンタウン北東部にあるこの公園は、まず敷地が約4.9 平方キロメートルととんでもなく広い。スパニッシュ・バロック様式の建物が点在する敷地にはサンディエゴ航空宇宙博物館や民芸国際美術館など15以上のミュージアムがあるので、興味のある施設をピックアップして園内を走る無料トラムを利用するのが一番だ。

全米最大級の動物園で空中散歩体験


Photo ©Tani Hideaki


Photo ©Tani Hideaki

中でも多くの人が訪れるのは、やはりサンディエゴ動物園。650種3500匹以上の動物の飼育数は世界最多で、虫や鳥や70万株以上の外来植物まで一同に集い、動物園というより生き物園と呼びたくなる。動物園内にトレイルコースがあるほど広大なので、すべてを回りきれない時はロープウェイのスカイファリとガイド付きバスが大活躍。スカイファリは園内だけでなくバルボア・パーク全体を空中から見下ろせて視界は抜群、バスは解説を聞きながら園内を40分ほどかけて回る。じっくりゆっくり回るカートツアーもあるので、好きな距離感で動物達と会えるのがうれしい。さらに動物園から北西約55kmにあるサファリパークには、約7平方kmの広大な敷地に300種類2600匹以上の動物がいる。人気者のジャイアントパンダやコアラから希少生物まで様々な生き物の生命力が充満する空間は、まさにサンディエゴのサンクチュアリだ。


Photo ©Tani Hideaki


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Info
サンディエゴ観光局
www.sandiego.org

カリフォルニア州観光局(日本語)
visitcalifornia.com/jp

サンディエゴ動物園HP
zoo.sandiegozoo.org

 

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