アンダルシア地方の中心地
Seville, Spain
セビリア(スペイン)(2012年5月4日記事)

Seville, Spain

アンダルシア州の州都セビリアは、スペイン南部の拠点となる都市。首都マドリッドからセビリアまで、高速鉄道AVEに乗るとおよそ2時間半で到着する。最高速度時速300キロのAVEはクルブ(特等)・プレフェレンテ(1等)・トゥリスタ(2等)と等級が分かれており、クルブとプレフェンテクラスは食事付き。時間帯にもよるが、ランチやディナーはボリュームたっぷりのフルコースなのでお腹を空かせて乗るといい。オリーブオイルの小瓶を開けて金色のオイルをメインディッシュにたっぷりかければ、味覚からスペインの旅を盛り上げてくれる。イベリア半島を南下するにしたがって車窓には赤茶けた大地が広がるが、セビリアに近づくと南国の明るさの中に大都市らしい街並みや家々が現れる。「アンダルシア地方の中心にやって来た」という期待感が高まる瞬間だ。

サンタ・クルス地区を巡る

スペインが位置するイベリア半島は、イスラム教勢力との間に800年間も攻防戦を繰り広げた末にキリスト教勢力が征服した地。セビリアを歩くと2つの宗教がせめぎ合った歴史の名残が随所に見られるが、中でも街の中心に位置するサンタ・クルス地区には見どころが詰まっている。ここは昔ながらの市街地サンタ・クルス街と世界最大級規模を誇るセビリア大聖堂、そして幻想的なアルカサル(スペイン王室の宮殿)が隣接した地区だ。
太陽の光が反射して眩しい白壁の住居と石畳が印象的なサンタ・クルス街は、15世紀に国王フェルナンド2世が作った旧ユダヤ人街。細かな装飾の鉄門や窓格子がある家々とオレンジの街路樹が植えられた街並みは絵のように美しく、車の通れない狭い路地が複雑に入り組んでいる。
迷路のようなサンタ・クルス街を抜けて少しだけ歩くと、圧倒的な存在感のあるセビリア大聖堂に到着する。この聖堂はもともと12世紀に建てられた巨大なイスラム教モスクを壊し、16世紀初頭にゴシック様式のカトリック聖堂に建て替えたもの。そのため建物の円柱や中庭のアーチなど、ところどころにイスラム建築様式が残っている。ひときわ高くそびえるヒエルダの塔も、モスクの礼拝時刻を告げるミナレット(尖塔)だった。大聖堂内には大航海時代に活躍したコロンブスが祀られているのでぜひ見ておきたい。
大聖堂から出ると、すぐにアルカサルの入口である真っ赤な「ライオンの門」がある。イスラム統治下の844年に建てられ、その後スペイン王室の宮殿となったアルカサルは、イベリア半島らしいムデハル様式の装飾がふんだんに施されている。壁から天井までびっしりと彫られた気の遠くなるような細かさの文様や、鮮やかなブルーやオレンジ色のタイルのモザイクはイスラム色が濃く、ヨーロッパでは異色のスタイルだ。また、アルカサルは建物はもとより庭園も素晴らしい。絢爛な建築をバックに細長く伸びた池の静けさや、強烈な日差しの下で木々の緑が落とす濃厚な陰のコントラストなど、はっとさせられる景色と何度も出会える。

グアダルキビール河岸からタブラオへ

サンタ・クルス地区から15分ほど西に歩くと、大西洋へと続くグアダルキビール河が現れる。コロンブスが16世紀にアメリカ大陸を発見して以降、数々の品をヨーロッパに運んだ大いなる河だ。たゆたう河に沿って河岸を散歩したり、クルーズ船に乗って街をゆったり眺めるのも心地よい。
また、セビリアはフラメンコの本場。サンタ・クルス街の老舗「ロス・ガリョス」やグアダルキビール河近くの「エル・パティオ・セビリャーノ」をはじめ、多くのタブラオで、毎夜レベルの高いステージが繰り広げられる。情熱と哀愁あふれる歌と踊りとギターが、この魅力あふれる街の一日を締めくくってくれるだろう。

More Info
スペイン政府観光局(日本語)
www.spain.info/ja
 
 

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