パエリア発祥の地で 情熱の風が吹く
Valencia
(2017年1月6日記事)

Spain


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パエリア発祥の地で 情熱の風が吹く

スペイン東部の都市バレンシア。マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第3の都市で、地中海西部のバレアレス海に面した港湾都市だ。地中海でもっとも貨物取扱量が多い港湾として栄える一方、温暖で降水量の少ない地中海性気候で、ヨーロッパでいちばん穏やかな冬を過ごせる地域としても知られる。気候を生かして栽培されるオレンジが名産で、世界中で栽培される「バレンシアオレンジ」も、この地で栽培されていたオレンジから名をもらったのだそう。

州都バレンシアを内包するバレンシア州の境界線は、かつてのバレンシア王国の領土に基づくもの。バレンシア王国の黄金時代だった15世紀ごろの権勢を伝える建造物が、街には残されている。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、15世紀末に建てられた絹の取引所。匠と呼ばれた石工たちの手によるゴシック様式の建物は荘厳で、まるで城のよう。取引の契約時に使われていた「契約の広間」は、楽園をイメージして作られた広々とした美しい広間で、ヤシの木に見立てた12メートルの高い柱が8本もそびえ、壁には公正な取引を祝福するメッセージが掲げられている。観光名所が集中する旧市街地にあり、道路の向こうには、ヨーロッパ最大級の規模を誇るバレンシア中央市場や、かつての魚市場を改装したレドンダ広場もあるのでぜひ足を運びたい。日曜日の朝にはレドンダ広場で蚤の市が開かれ、当時のバレンシアに戻ったかのような喧騒に包まれる。


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バレンシア王国繁栄の歴史を示す建築群

もう1つ紹介したいのは、13世紀から15世紀にかけて建設されたバレンシア大聖堂。17、18世紀にかけても増改築が施されたため、ゴシック、ロマネスク、ルネサンス、バロック、新古典様式など、工事の年代別にさまざまな様式が混在しているのが見どころ。この教会にはイエス・キリストが「最後の晩餐」で使った聖杯と目されるものが聖遺物として納められており、研究によって本物である可能性が極めて高いといわれている。杯そのものはメノウの地味なものなのだが、台座は宝石をちりばめ、イスラムの伝統的な金細工をほどこした豪華なもので、こちらも一見の価値あり。また、高さ約50メートルの鐘楼「ミゲレテの塔」の頂上からはバレンシア市内が一望できる。200段を超す階段を登れば、の話なのだが。

「火祭り」もバレンシア名物の1つ。パンプローナの牛追い祭り、セビリアの春祭りとともに「スペイン3大祭り」に数えられ、毎年3月15日から19日に開催される。キリストの父である聖ヨセフを崇めるお祭りで、その昔、大工たちが古い道具やかんな屑などを冬が開けたころに燃やしていた習慣が起源なのだという。まずは地元の組合が1年をかけて制作した張り子の人形が街中に飾られる。発泡スチロールや紙、木でできた人形の数は600にも700にも上り、大きいものは高さ30メートルにもなる。期間中はなにかにつけ、あちこちで花火や爆竹に火がつけまくられ、爆発音と白煙が漂う。そして最終日の夜に人形を容赦なく燃やすのが火祭りのクライマックス! 小さいものからどんどん燃やし、最後は市庁舎広場にある巨大人形に火を放つ。それとともに花火も空に打ち上げられ、そこかしこで火が燃えさかる。降り注ぐ火の粉には無病息災などの利益があるとされているが、行くときにはレーヨンや綿などの燃えやすい洋服を避けるようにご注意を。消防隊が待機する中で見る火柱はスリリング! 前座ともいえる「マクレスタ」は期間中、毎日午後2時から行なわれる。会場である市庁舎広場で一斉に爆竹を鳴らすというシンプルなイベントで、花火師たちが爆竹のできを競い合う。立ち上る煙が濃いほどよいとされているため、爆音と煙の多さは言わずもがな。また、色とりどりの民族衣装を身に付けた女性たちがカーネーションの花を持ってパレードをする「オフレンダ」も見逃せない。広場にある、聖母マリアを模した巨大な木の骨組みにカーネーションが献花され、最後には花でできたマントが完成する。昼夜を問わずあちこちで爆発音が聞こえ、血がたぎるような祭が終わると、春が訪れると考えられている。


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春を告げる祭りでラテンのスピリットを感じる

バレンシアはまた、芸術の都としても有名だ。ベラスケスやゴヤ、ソロヤなどスペインを代表する巨匠たちの作品が見られるバレンシア美術館にぜひ寄って行きたい。幅広いコレクションを誇る青く輝くドームのある美術館は、入場無料というのも嬉しいポイント。また、陶器の生産地であることから、国立陶器博物館では趣きのある展示を楽しめる。繊細な造形と美しい彩色が特徴のリヤドロの本社もバレンシアにあり、工業やギャラリーが見学可能。そしてバレンシアの歩みを知りたいなら、バレンシア歴史博物館がおすすめ。

スペイン料理といえば定番はパエリア。発祥の地だと言われているバレンシアで味わおう。パエリアといえば、エビやイカ、ムール貝などの魚介類が入ったものが具として一般的なイメージ。しかし本場バレンシアでは、ウサギの肉やインゲン豆などがメインの具となっている。熱々の一皿を、スペイン発祥の甘酸っぱいサングリアとともにどうぞ!


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Info
バレンシア観光局
www.visitvalencia.com

バレンシア大聖堂
www.catedraldevalencia.es




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