アメリカの首都で春を感じる
Washington, D.C.
U.S.A.(2016年3月18日記事)

U.S.A.

アメリカの首都で春を感じる

トロントの東南、飛行機で約1時間半の距離にあるアメリカの首都、ワシントンD.C.。日本語では「ワシントン」とだけ表されることも多い、その名称の D.C. は District of Columbia「コロンビア特別区」の略だ。「ワシントン」は合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンに、「コロンビア」はアメリカ大陸を「発見」したコロンブスにちなんでいる。首都だけあって、大統領官邸であるホワイトハウス、連邦議会議事堂、最高裁判所などの重要機関が集中しているほか、多数の記念建造物や、スミソニアン博物館群など世界トップクラスの博物館もある。ワシントンの観光といえば、これらアメリカ政府関連施設の見学、あるいは博物館、美術館巡りがメイン。しかも記念建造物や博物館、美術館の多くは無料で入場できるので、はしごして見てまわるにはもってこいだ。

建国の歩みと歴史を感じるモニュメント

まず観光の起点として紹介したいのは、ワシントンの中心部に位置する国立公園のナショナル・モールだ。この公園、北側にはホワイトハウス、東側には連邦議会議事堂、南側には国立ホロコースト記念博物館、西側にはリンカーン記念館があり、観光スポットの中心と言っていい。そして公園の中心には、ワシントンで最も高い建造物である169メートルのワシントン記念塔があり、360度見渡せる展望台からは碁盤の目の街並みを確かめることができる。また、スミソニアン博物館群もナショナル・モール沿いに立ち並ぶ。


スミソニアン協会が運営する中で最も有名な博物館は、国立航空宇宙博物館。航空機と宇宙船関係の博物館では世界最大級だ。ダイナミックな宇宙船、航空機の展示が年齢を問わず楽しめる。ナショナル・モール沿いにある本館は、航空史におけるパイオニア、オットー・リリエンタールが発明したグライダーやライト兄弟が1903年に製造したライトフライヤー号から、宇宙船まで、100年ほどの間に大躍進を遂げた航空機の歴史が体系的に展示されており、人類の夢が飛行技術へと結びつくさまを実感できる。ワシントン郊外のダレス国際空港近くには、スティーブン・F・ウドバーヘイジー・センターという同博物館の別館がある。本館よりも規模の大きいこちらには、300機以上もの航空機が展示されている。第2次世界大戦中の各国の戦闘機なども修復して展示されており、航空機の歴史は同時に戦争の歴史でもあることが感じられる。

また、歴史好きなら、国立公文書館もおすすめ。「独立宣言」「合衆国憲法」「権利章典」というアメリカの歴史にとって最も重要とも言える資料のオリジナルや、「マグナ・カルタ(大憲章)」などの写本が展示されている。


ピンクに色づくポトマック川のほとり

ナショナル・モールの南には、1897年にポトマック川の水流を導いて造った、タイダル・ベイスンという入り江がある。ほとりには数千本の桜の木が植えられており、アメリカ有数の花見の名所として有名だ。これらの桜は、1912年から数度にわたり、日本から寄贈されたもの。毎年、この桜の花を愛でる全米桜祭りが3月中旬から約1か月、開催される。1935年に最初の桜祭りが行なわれて以来、間に中断を挟みながらも、ワシントンの春の風物詩として続いてきた全米桜祭り。今年は3月20日から4月17日までがそのフェスティバル期間で、タイダル・ベイスンおよびナショナル・モール近辺では関連イベントを楽しめる。


各週末にはイベントが多く計画されており、4月2日にはさまざまな凧が舞うブロッサム・カイト・フェスティバル、9日には音楽ライブや花火などが予定されている。4月2日は第1土曜日で、実はこの日は国際ピローファイト・デーでもあり、ナショナル・モールにて参加自由のピローファイトが開催される。参加希望者は枕を持って駆けつけるように! ただし羽毛の枕は羽が散らかるので使用が禁止されている。

最もイベントが多いのは16日で、午前には2016年のミス・アメリカも参加するパレードが開催される。フロートやバルーンとともにマーチングバンドやパフォーマンスグループ、アンティークカーに馬も加わって練り歩き、にぎやかに桜咲く街を盛り上げる。パレードは毎年10万人もの観客が観覧する大きなもの。また桜祭りジャパニーズフェスティバルでは、200を超す武道のデモンストレーションを見たり、屋台でたこ焼きやみたらし団子などを味わうことができる。そのほか約75のブルワリーが参加してビールをテイスティングできるクラフトビール・フェスティバルなど、多様なイベントがそろう。

大きなイベントだけでなく、解説つきの無料のウォーキング・ツアーや、花見クルーズなど、個人で楽しむものもいろいろ。クルーズは45分程度の短い気軽なものから、3時間程度のディナーつきのものまで、おもむきの異なるものが用意されている。また、フェスティバル期間中は桜にちなんだメニューを提供するレストランやバーも多いので、期間限定の一皿を楽しめる。まさに街をあげての一大イベントだ。

アメリカの政治の中枢、ワシントンは広々として美しく、居心地のいい都市。過ごしやすい季節に訪れたい。


All Photos:©Destination DC

Info
ワシントン観光局
washington.org

National Cherry Blossom Festival(全米桜祭り)
www.nationalcherryblossomfestival.org

国立航空宇宙博物館
airandspace.si.edu




 
 

Washington, D.C., U.S.A.