オーロラ揺らめく北の大地
Yellowknife,
Northwest Territories
イエローナイフ(ノースウエスト準州)(2014年1月24日記事)

Yellowknife, Canada

© 乃村博之

ノースウエスト準州の州都イエローナイフ。19世紀に金鉱が発見されて以来ゴールドラッシュの町として成長したが、現在は金に代わってダイヤモンドの採掘が盛んで主要産業になっている。それに加えて幻想的な天体現象オーロラも、イエローナイフに世界中の人を惹きつける大きな存在。何日観測を続けても出会えないこともあれば、空全体を覆うように爆発を続けることもある、自然が生み出すスペクタクルだ。刻一刻と変化するオーロラの姿をまぶたに焼き付けるために、極寒の北へと向かおう。

© 酒井潤子

© 酒井潤子

© 乃村博之

ノーザン・ライツを見上げる夜

USA

イエローナイフの町には空港近くのニュータウン、生活の中心地ダウンタウン、史跡の多いオールドタウンの3つのエリアがあり、ダウンタウンからオーロラ鑑賞地までは車で1時間弱で到着する。オーロラはカナダ各地で観測されるが、イエローナイフは「オーロラオーバル」や「オーロラベルト」と呼ばれるエリアの真下に位置する、オーロラ出現率の高い場所。澄んだ空気に包まれた漆黒の夜空に、光のカーテンやうずまきが音もなく現れてはゆらめく。
さらに時期がよければ、色とりどりの光が次々と発生しては爆発して広がる、この世のものとは思えない光景を期待できる。そして輝く天空の下の大地に並ぶのは、「ティーピー」と呼ばれる先住民族の住居。三角形のテントの中では薪が焚かれ、やわらかな光がぼうっと浮かぶ姿が夜の闇にしっくり溶け込む。時にはマイナス30℃以下にもなる冷気の中では、バナナで釘も打てる。もはや寒いというより痛く、痛いというより何も感じなくなっていく中で、ティーピーに入り暖を取るのは至福の瞬間。これぞ極寒だからこそ実感できる幸せだ。
オーロラの見えない日中も、イエローナイフらしい楽しみがある。何列にも並んだ犬達が引く犬ぞりで雪の積もる森を駆け巡れば、元気な犬達のスタミナや方向感覚に驚かされるだろう。また、免許不要で運転できるスノーモービルは最高の疾走感を味わえるので、スピードを求める人にはうってつけの乗り物だ。
そしてイエローナイフの町に面し たグレートスレーブ湖は完全に凍結し、冬期限定の氷の道「アイスロード」になる。
淡い太陽光と雪に照らされた真っ白い風景の中に伸びる一本道は、寂しいような研ぎ澄まされたような晴れ晴れとしたような道。6キロ先のデタ村までひたすら車を走らせれば、北極の手前まで来ていることを実感できるかもしれない。

写真上 © 乃村博之


©乃村博之

©乃村博之

先住民とゴールドラッシュ

bits

イエローナイフやノースウエスト準州についてもっと知りたくなったなら、ダウンタウンの「プリンス・オブ・ウェールズ・ノーザン・ヘリテージ・センター」が応えてくれる。先住民族デネ族が使ったヘラジカの皮製のボート、トナカイや白熊の剥製、州内で採掘された何億年も前の鉱物のほか、写真展など歴史や文化や人々の生活がわかる資料が展示され、日本語のナレーションが流れるビデオもある。バイソンのハンバーガーを味わいに、館内のミュージアムカフェを訪れるのもおすすめ。ランチの時間は人気があるので、予約を入れた方がいい。
ダウンタウンと隣接したオールドタウンには、イエローナイフで最初のレストラン「ワイルドキャット・カフェ」や旧トロントドミニオン銀行といった1930年代の史跡が残っている。 この町が形成されつつあった勢いある時代の生き証人だが、2軒とも丸太を積んだ小屋でいたって素朴だ。ゴールドラッシュで一攫千金を夢見た人も実現した人も、意気揚々とその小さな扉を開いたのだろうか。 

©乃村博之

More Info
● カナダ政府観光局ウェブサイト(日本語)
jp-keepexploring.canada.travel

● オーロラ予報
astronomynorth.com/aurora-forecast



 
 
Yellowknife, Canada